相続等の登記を、横浜市戸塚区で1日150件、泉区で1日50件、栄区で1日150件の申請を処理していた実務経験者


ブログ


数次相続に係る所有権の移転登記が非課税になる?

租税特別措置法第84条の2の3第1項の規定の施行等に伴う不動産登記事務 の取扱いについて(通知)

〔平成30年3月31日付法務省民二第168号〕     法務省民事局民事第二課長

所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号。以下「改正法J という。)が本年4月1日から施行され,改正法により新設される租税特別措置法(昭和32年法律第26号。以下「法」という。)第84条の2の3第1項の規定も同日から施行されますが,これに伴う不動産登記事務の取扱いについては,下記の事項に留意するよう,貴管下登記官に周知方取り計らい願います。

               記

第 1 背景

相続登記が未了のまま放置されることは,いわゆる所有者不明土地問題を生じさせる大きな要因の一つであるとされ,法務省では,相続登記を促す広報用リ-フレットの作成や法定相続情報証明制度の創設など,相続登記の促進のための各種の施策を進めているところである 。

一方で,相続登記が未了のまま放置されることの理由の一つとしては,手続にかかる費用の負担が挙げられており,例えば登録免許税の減免措置といった費用負担の軽減を図るべきとの指摘もある 。

法務省では,これらの状況に鑑み,平成30年度税制改正要望として,相続登記を促進するために,相続登記に係る登録免許税について特例措置を設けることを要望してきたところである 。 この要望については,平成29年12月22日に閣議決定された平成30年度税制改正の大綱に「土地の相続登記に対する登録免許税の免税措置の創設」として盛り込まれ,今般の免税措置の創設に至ったものである 。

第 2 相続に係る所有権の移転登記の免税措置(法第84条の2の3第1項関係)

個人が相続(相続人に対する遺贈を含む。以下同じ。)により土地の所有権を取得した場合において,当該個人が当該相続による当該土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡したときは,平成30年4月1日から平成33年3月31日までの聞に当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については,登録免許税を課さないこととされた(法第84条の2の3第1項)。

1 個人が相続により土地の所有権を取得した場合において,当該個人が当該相続による当該土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡したときについて

今回の措置は,いわゆる数次相続が生じていることを主に想定したものであるが,ここでいう「個人が相続により土地の所有権を取得した場合において,当該個人が当該相続による当該土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡したとき」とは,登記名義人である被相続人 A から相続人 B が 相続により土地の所有権を取得した場合において,相続人 B が被相続人 A からの相続による土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡したときをいう。 したがって,当該土地の所有権が相続人 B の死亡による相続を原因として B の相続人(例えば B の子など)に更に移転していることまでを要件とするものではない。すなわち,例えば,当該土地について相続人 B が生存 している聞に相続人 B から第三者に売買等がされていたとしても,それをもって法第84条の2の3第1項の適用外となるものではない 。

2 当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記について

「当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記」とは,死亡した相続人 B を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける,被相続人 A からの相続による土地の所有権の移転の登記をいう。 また,例えば,相続人 B に,存命する同順位の相続人が存在し,当該土地が当該同順位の相続人と相続人 B との共有により相続されている場合には,「 当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記」として法第84条の2の3第1項の適用により免税措置を受ける範囲は,相続人 B が所有権の移転を受ける持分に相当する部分となる。

3 登記の申請情報の記載について

法第84条の2の3第1項の適用を受けようとするときの申請情報の記載は,例えば,登録免許税の欄に「租税特別措置法(又は昭和32年法律第26号)第84条の2の3第1項により非課税(あるいは,一部非課税)などとする。

4 免税措置の適用を受ける際の証明書類について

上記3に従って法第84条の2の3第1項の適用を受けようとする土地の相続による所有権の移転の登記の申請があった場合には,同項の適用の有無は,原則として,当該申請において提供される,相続を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報 ( 不動産登記令(平成16年政令第379号)別表22の項添付情報欄)から明らかとなるため,法第84条の2の3第1項の適用を受けるための特段の証明書類は要しない。

 

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、民事信託に強い司法書士です。公正証書遺言の作成手続、信託契約書作成、離婚、自筆証書遺言の検認手続、成年後見、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

遺言と遺産分割協議

遺言と遺産分割協議

Q 父の相続に際し、公正証書遺言がありました。その内容は「妻に全財産を相続させる。」とありました。相続人は、母と、私(長男)と妹です。
母は、父が母に相続するという、土地について、長男の私にその相続する土地をあげると言っています。母は、健在なので、父の相続のときに私に相続させるということができないか、ご相談に参りました。

遺言の内容と違っても、相続が可能!

A 父の遺言があっても、共同相続人全員の同意があれば、遺言の内容と異なる遺産分割協議はできます。相続登記が未了のときは、当該遺産分割協議によって、直接「相続」を原因とする所有権移転登記ができます。既に、遺言によって、相続の登記がなされているときは、当該遺産分割協議によって、「遺産分割」を原因とする持分移転登記を行う方法があります。
 なお、当事務所では、後々の紛争を回避するために、公正証書遺言の内容を全員が承知したうえで、その遺言と違う内容での遺産分割協議を行った方法をとらさせていただいています。
(参照:「登記官からみた相続登記のポイント」新日本法規)

相続・遺言と祭祀承継

相続・遺言と祭祀承継

遺言で先祖のこと、お墓の維持管理や法要、お寺のこと等を長男に託したいのだけど、本当に実行してくれるか心配だ!という声が相続や遺言のお話のときに、あちこちで聞かれます。
遺言にて『遺言者は遺言者及び祖先の祭祀を主催すべき者として長男○○○○(昭和○○年○月○日生)を指定する。』と記載することで、遺言者は一応安心すると言われていますが、先のような事例があることは遺言の限界と言えます。
そこで、死後事務委任契約とか、遺言信託をご教示する場合があります。
 この遺言信託は、金融機関の商品名で周知されているかと思いますが、金融機関における「遺言信託」(注)は、民事信託・家族信託でいう「信託」ではありません。
私たち法律家がお話をする「遺言信託」は、信託法第3条2号に規定されている民事信託でいう「信託」です。
 この「遺言による信託」は、例えば、お父さんが「私が亡くなったら息子を受託者として私の所有する不動産を信託する」と遺言で定めておく方法で、お父さんが亡くなった時に信託の効力が発生します
この「遺言による信託」は公正証書で遺言を作成すると同時に作成します。

 

(注)【信託銀行の提供するサービス】
 多くの信託銀行は、遺言に関する以下のサービスを有料で提供しています。名称に信託という文言が含まれていますが、法的には信託とは無関係です。
 ①遺言の作成に関するコンサルティング
 ②作成した遺言書を保管
 ③遺言の執行

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、民事信託に強い司法書士です。公正証書遺言の作成手続、信託契約書作成、離婚、自筆証書遺言の検認手続、成年後見、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

不在者財産管理人

不在者財産管理人

不在者の財産管理人と所有権移転の登記申請書の登記済証(登記識別情報)の添付

Q 不在者の財産管理人が選任されており、財産管理人が土地の買収に応ずるために民法103条に定めた権限を超える行為につき家庭裁判所の許可を得ている場合において、買収を登記原因とする所有権移転の登記申請書にその許可書(審判書)を添付しているときでも、登記済証の添付を要するか。
A 登記済証添付の要否(登研366号)⇒変更
 不在者の財産管理人が、土地の買収に応ずるために民法103条に定めた権限を超える行為につき家庭裁判所の許可を得ている場合において、買収を登記原因とする所有権移転の登記申請書にその許可書(審判書)を添付しているときでも、法35条1項3号に規定する登記義務者の権利に関する登記済証の添付を要する。

 

Q 不在者の財産管理人が土地の買収に応ずるために民法(明治29年法律第89号)第103条に定める権限を超える行為につき家庭裁判所の許可を得ている場合において、買収を登記原因とする所有権の移転の登記の申請に当該許可書を添付しているときは、不動産登記法(平成16年法律第123号)第22条に規定する登記識別情報の提供をすることを要しないと考えますが、いかがでしょうか(質疑応答【5499】(登研366号85頁)では、このようなときであっても、登記済証の提供を要する旨の回答がされています。)。
A 登記識別情報の提供の要否(登研779号)
 不在者の財産管理人が土地の買収に応ずるために民法第103条に定める権限を超える行為につき家庭裁判所の許可を得ている場合において、買収を登記原因とする所有権の移転の登記の申請に当該許可書を添付しているときは、登記識別情報の提供を要しない。
 御指摘の質疑応答は、本件質疑応答によって変更されたものと了知願います。

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、民事信託に強い司法書士です。財産管理、公正証書遺言の作成手続、信託契約書作成、離婚、自筆証書遺言の検認手続、成年後見、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

 

相続と福祉型民事信託

Q 親なき後、障がいを持つ子どもの将来が心配である。

【相談の内容】 【相談者】 父親Aとその妻B

Aと妻Bとの間には障がい者の長女C(障がい2級)がいる。精神薄弱のため、施設に入所中、週末は自宅に帰宅、後見人未就任。

【具体的な依頼内容・希望など】

 ①Aの死亡後、遺産が国庫に帰属することは避けたい。

 ②Aの財産は、妻Bと長女Cに使ってもらいたいが、最終的に長女Cに使ってもらうようにするにはどうしたらよいか。

委託者であるAの意思が、Aが認知症になった後はもちろん、死後においても変わることなく生かされることとなる。 Aが最も心配している自分の死後事務に関する費用支払を、信頼できる受託者妻Bに託し、司法書士Dが成年後見人に就任することにより、間違いなく実行することができます。
横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、民事信託に強い司法書士です。離婚、自筆証書遺言の検認手続、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

相続と民事(家族)信託

1. 信託とは

 
「委託者」が所有している資産を受託者に移転して、「受託者」はその資産につき、一定の目的に従って管理処分を行い、その資産から生じた利益を「受益者」に配当するという契約です。委託者の財産の所有権は受託者に移りますが、その利益は受益者が受取るということになります。

2.唯一、民事信託のみが生前から死亡後まで永続的に設定できる契約です。(次号へ続く)

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、民事信託に強い司法書士です。離婚、自筆証書遺言の検認手続、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

相続・数次相続

数次相続が生じている場合において最終的な遺産分割協議の結果のみが記載された 遺産分割協議書を添付してされた相続による所有権の移転の登記の可否について(通知) 〔平成29 年3 月30 日付法務省民二第237 号〕

数次相続が生じている場合において最終的な遺産分割協議の結果のみが記載された遺産分割協議書を添付してされた相続による所有権の移転の登記の可否について (通知)

標記について,別紙甲号のとおり福岡法務局民事行政部長から当職宛てに照会があり,別紙乙号のとおり回答しましたので,この旨貴管下登記官に周知方お取り計らい願います 。 〔別紙甲号〕 数次相続が生じている場合において最終的な遺産分割協議の結果のみが 記載された遺産分割協議書を添付してされた相続による所有権の移転の登記の可否について (照会) Aを所有権の登記名義人とする甲不動産について,別添の相続関係説明図記載のとおり遺産分割が未了のまま数次相続が発生したことを前提に,今般,E の相続人の一人であるG から,G が甲不動産を相続したことを内容とする遺産分割協議書を 登記原因証明情報のっとして添付した上で,「年月日 B 相続 , 年月日 E 相続 ,年月日相続」を登記原因とする G への所有権の移転の登記の申請( 以下「本件登記申請」という。)が 1件の申請でされました 。 単独相続が中聞において数次行われた場合には,相続を原因とする所有権の移転登記を1件の申請で行うことができ,この単独相続には遺産分割により単独相続になった場合も含まれることについては先例(昭和30年12月16日付け民事甲第2670号民事局長通達。以下「昭和30年通達」という。)において示されているところですが ,本件においては,第一次相続の相続人による遺産分割が未了のまま第二次相続及び第三次相続が発生し,その後の遺産分割協議が第一次相続及び第二次相続の各相続人の地位を承継した者並びに第三次相続の相続人によって行われたものであり,本遺産分割協議書には,A名義の不動産をGが単独で相続した旨の記載があるのみであることから,昭和30年通達の取扱いの対象となるかどうかが明らかではありません 。 本遺産分割協議書の当該記載の趣旨は,第一次相続から第三次相続までの相続関係から合理的に推認すれば,まず,①第一次相続の相続人の地位を承継した者(FからSまで)により亡Bに甲不動産を承継させる合意,次に,①亡Bを被相続人とする第二次相続の相続人(J,K及びL) 及び相続人の地位を承継した者( F , G , H 及び I )により亡Eに甲不動産を承継させる合意,そして,③亡Eを被相続人とする第三次相続の相続人( F , G , H 及び I ) によりG に甲不動産を承継させる合意の各合意をいずれも包含するものと解されますので,登記原因欄の上記記載は相当であると考えられます。また,上記各相続における相続人又は相続人の地位を承継した者である F から S までの全員の署名押印があり,第一次相続から第三次相続までの遺産分割協議をするためにそれぞれ必要な者によって遺産分割が行われたと考えられます 。そうすると,昭和30 年通達に従って,本件登記申請に係る登記をすることができると考えますが,いささか疑義がありますので照会します 。数次相続

  〔別紙乙号〕 数次相続が生じている場合において最終的な遺産分割協議の結果のみが記載された遺産分割協議書を添付してされた相続による所有権の移転の登記の可否につ いて (回答) 本月2 8 日付け不登第64 号をもって照会のありました標記の件については,貴見のとおり取り扱われて差し支えありません。

相続・数次相続

遺産分割協議が未了のうちに相続人の一人が死亡し、その亡くなった人の相続人ではない相続人が相続したいとき

相続

上の図で、不動産を持っていた甲さんが亡くなりました。甲さんには長男A、二男B、長女Cがいます。遺産分割協議をしないうちに、続いて長男Aが亡くなりました。 長男Aには、妻D、子E、子F、子Gがいます。 Q1 甲さんの不動産を二男Bが相続する場合には、どのような遺産分割協議書を作成すればいいのでしょうか? A1 二男Bが相続する方法として、甲さんの相続と長男Aの相続の遺産分割協議を①1通の遺産分割協議書で作成する方法があります。 ①1通の遺産分割協議書で作成する方法    甲さんの相続人として、二男B、長女C、長男Aの相続人として、妻D、子E、子F、子Gが参加する遺産分割協議書で甲さんの不動産を二男Bに相続させる旨の遺産分割協議書を作成します。

 

戸塚 相続
戸塚 相続
戸塚 相続
戸塚 相続

また、上の図のように長男Aの相続人が全員二男Bへその相続分を譲渡したい場合はどうすればいいのでしょうか?次回へ続く。

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、旧法相続に強い 離婚、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

数次相続人間における相続分譲渡と所有権移転登記手続

数次相続人間における相続分譲渡と所有権移転登記手続

数次相続人間における相続分譲渡と所有権移転登記手続

被相続人甲が死亡し乙、丙及び戊(丁の代襲相続人)が相続した甲名義の不動産につき、相続登記未了のうちに乙の死亡によりA、B、Cが、丙の死亡によりX(Dの代襲相続人)が相続し、さらにその後、戊、A及びXが各自の相続分をそれぞれBに2分の1、Cに2分の1ずつ譲渡した場合において、B及びC名義への移転登記をするには、

相続を原因とする乙、丙及び戊名義への所有権移転の登記、

②乙持分について相続を原因とするB及びC名義への持分全部移転の登記(Aの印鑑証明書付相続分譲渡証書添付)、

③丙持分について相続を原因とするX名義への持分全部移転の登記、

④戊及びX持分について相続分の売買又は相続分の贈与等を原因とするB及びC名義への持分全部移転の登記を順次申請するのが相当である。

(平4.3.18、民三第1,404号民事局第三課長回答・先例集追Ⅷ268頁、登研536号155頁〔解説付〕、月報47巻5号90頁)

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、旧法相続に強い 離婚、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

相続関係説明図の援用

不動産登記法(平成16年法律第123号)の施行に伴う登記事務の取扱い

 相続による権利の移転の登記等における添付書面の原本の還付を請求する場合において、いわゆる相続関係説明図が提出されたときは、登記原因証明情報のうち、戸籍謄本又は抄本及び除籍謄本に限り、当該相続関係説明図をこれらの書面の謄本として取り扱って差し支えない。 (平17.2.25、民二第457号民事局長通達・登研686号344頁)

 

相続関係説明図の援用の可否

【結論】同時に数個の相続登記を申請する場合、申請書に添付した相続関係説明図により相続関係が明らかであるときは、相続関係説明図を前件に添付し、他の申請書にはその旨を付記して援用してもよい。

Q 相続による所有権移転の登記を数個同時に申請する場合において、一の申請書に添付した相続関係説明図により数個の申請の相続関係が明らかであるときは、個々の申請書に相続関係説明図を添付することなく、最初の申請者に添付したものと援用することが許されると考えますがいかがでしょうか。

A 御意見のとおりと考えます。(登研250号)

 

相続登記申請書に添付する「相続関係説明図」の援用の可否

【結論】甲から乙、乙から丙へと順次相続が行われている場合において、甲名義の不動産と乙名義の不動産について丙が相続登記を連件で申請するときに、甲名義の不動産についてする相続の登記申請書に添付した相続関係説明図を、乙名義の不動産についてする相続の登記申請書に援用することはできない

Q 相続人甲はA物件を所有する、相続人乙はB物件を所有するというような遺産分割協議書による相続関係につき、A物件(甲所有)の相続登記(一)とB物件(乙所有)の相続登記(二)を連件で提出する場合、相続関係説明図は便宜(一)の登記の申請書にのみ添付して、(二)の登記の申請には前件添付とする取扱いで差し支えないものと考えますが、いかがでしょうか。

A 相続関係説明図は、相続を証する書面中、当該相続による登記をなすにつき必要な事項及び関係者等を限定的に図によって明らかにしたものでなければなりません。したがって、被相続人が異なる場合は「相続関係説明図」にある事項等が異なることとなり、その援用はできないものと考えます。(登研420号)

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、旧法相続に強い 離婚、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

旧民法730条2項「養親が養家を去りたるときは其者及び其実方の血族と養子との親族関係は之に因りて止む」

旧法と相続
旧法と相続

旧民法730条2項「養親が養家を去りたるときは其者及び其実方の血族と養子との親族関係は之に因りて止む」

 

「大正時代にとある家の養女になったAがその家の家督を継いだ後に、実の妹Xと養子縁組をした後、昭和14年の隠居・結婚に伴いAが養家を去った場合、AとXの養親子関係(ひいては相続関係)は消滅するのかどうか」が争われたものです。なお、Aの相続開始(死亡)は平成時代に入ってからであり、Aには実子Yが存在します。

 

 現在の法律で単純に考えれば、AとXは離縁していないのだからAX間に親子関係は存在し、ひいては相続関係も存在するとなりそうです。ところが、Aの相続開始は平成に入ってからではあるものの、上記のAX間の親族関係が発生したのはいずれも戦前の旧民法の時代なので、AとXの親族関係(ひいては相続関係)を判断するには旧民法をも参照して判断しなければなりません。

 そこで、旧民法ですが、次のような規定がありました。 旧民法730条2項(現代語訳) 「養親が養家を去りたるときは其者及び其実方の血族と養子との親族関係は之に因りて止む」  

この条文を事案に合わせて読むと、「養親(A)が養家を去ったときは、養親(A)と養子(X)の親族関係(親子関係)は消滅する」というふうに読めそうです。  実際の裁判ではこのAX間の養親子としての相続関係の有無が争われたのですが、裁判所は、旧民法730条2項によりAとXの養親子関係は消滅したので、AX間に親子としての相続関係は存在しないと判断したようです。いわば条文どおりの判断です。

 因みに、養子が養家を去ることを法律用語で「去家」といいますが、この「去家」という文言については、該当する事実があっても直接戸籍に「去家」と記載されたりはしません。そんなわけで、第1審、第2審の裁判では事案が旧民法730条2項の去家に該当するものであることが見過ごされたのではないか?と考えられます。

 

【最高裁平成21年12月4日第2小法廷判決・破棄自判判例タイムズ 1317-128】

Xは故A女の養子であると主張して、A女の実子であるYに対し、A女がその遺産の多くをYに相続させる内容の公正証書遺言をしたことにより、遺留分を侵害されたとして、価額弁償を求めた。  

 

事情は以下の通りである。

①A女は大正6年9月17日、B男との間で同人を養親とする養子縁組をして、同人が戸主であるB家に入り、大正8年6月11日同人の死亡によりその家督を相続した。

②Xは、昭和14年8月30日、実姉であるA女との間で、同人を養親とする養子縁組をした。

③A女は、同年11月2日、隠居した上、同月29日、C男と婚姻してB家を去った。

④A女は、平成10年11月17日、長男であるYにその遺産の多くを相続させる内容の公正証書遺言をした。

⑤A女は、平成15年5月24日死亡した。

⑥Xは、平成16年5月13日、Yに対し、遺留分減殺の意思表示をした。

 

 Xの請求は、認められるか?

【解答】 認められない。

(理由)  最高裁は、以下のように述べ、XがAの養子であるとする前提自体を否定し、Xの主張を退けた。 「昭和22年法律第222号による改正前の民法730条2項は、「養親カ養家ヲ去リタルトキハ其者・・・・ト養子トノ親族関係ハ之ニ因リテ止ム」と定めるところ、養親自身が婚姻又は養子縁組によってその家に入った者である場合に、その養親が養家を去ったときは、この規定の定める場合に該当すると解すべきである(最高裁昭和42年(オ)第203号同43年7月16日第三小法廷判決・裁判集民事91号721頁参照)。前記事実関係によれば、A女は、B男との養子縁組によりB家に入った者であって、被上告人Xと養子縁組をした後、C男と婚姻してB家を去ったというのであり、B女の去家により、同項に基づき、B女と被上告人Xとの養親子関係は消滅したものというべきである。」

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、旧法相続に強い 離婚、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

自筆遺言証書と相続

自筆証書による遺言書の真正担保のケース

 自筆証書による遺言書の家庭裁判所の検認期日の審問調書に、相続人中の1人が「遺言書は遺言者の自筆によるものではなく、押印も遺言者の使用印によるものではないと思う。」旨の陳述をしたとの記載がある場合であっても、遺言内容による相続の登記の申請に異議がない旨の当該陳述者の証明書(印鑑証明書付)が申請書に添付されているときは、当該相続の登記の申請を受理して差し支えない。 (平10.11.26、民三第2,275号民事局第三課長通知・先例集追Ⅸ162頁、登研627号201頁、月報55巻4号220頁)

 

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、離婚、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

法定相続と預金債権

遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件

平成28年12月19日最高裁判所大法廷 決定破棄差戻

原審裁判所名 平成27年3月24日 大阪高等裁判所

 

裁判要旨共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となるものと解するのが相当である。 http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86354<参照:裁判例情報>

 

以上説示するところに従い,最高裁平成15年(受)第670号同16年4月20日第三小法廷判決・裁判集民事214号13頁その他上記見解と異なる当裁判所の判例は,いずれも変更すべきである。

 

<従来の判例> 平成16年4月20日最高裁判所第三小法廷 判決

平成15(受)670 所有権移転登記手続等,更正登記手続等請求事件

民集 第214号13頁

 

判示事項  相続財産である可分債権につき共同相続人の1人がその相続分を超えて債権を行使した場合に他の共同相続人が不法行為に基づく損害賠償又は不当利得の返還を求めることの可否

 

裁判要旨共同相続人甲が相続財産中の可分債権につき権限なく自己の相続分以外の債権を行使した場合には,他の共同相続人乙は,甲に対し,侵害された自己の相続分につき,不法行為に基づく損害賠償又は不当利得の返還を求めることができる。

 http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=62575<参照:裁判例情報>

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、離婚、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

夫婦の法定財産制度

1 夫婦の財産関係

1.法定財産制度

(1)婚姻費用の分担(民法760条) 夫婦は、婚姻共同生活を維持するための費用については、それぞれの資産、収入、その他一切の事情を考慮して分担すべきということです。 婚姻生活における経済的共同性を示すものです。

 

(2)日常家事債務の連帯責任(民法761条)  夫婦が婚姻共同生活を営むには、食糧や衣服等が必要ですが、これは、通常、第三者と売買契約等を締結して入手します。このような売買代金の支払債務等は、婚姻共同生活を維持するための債務ですから、夫婦が共同責任を負うべきということです。つまり、婚姻共同生活を維持するための費用(婚姻費用)については、夫婦で分担するのですから(民法760条)、婚姻生活から生じる債務(日常家事債務)についての対外的な責任も夫婦の共同責任とされたのです。

 

(3)夫婦別産制(民法762条1項)  夫婦の一方が婚姻前に取得した財産は、婚姻後もその人のものです。婚姻したというだけで婚姻相手の財産について何らかの権利を取得することはありませn。これと同様に婚姻中に夫婦の一方が名義で取得した財産(たとえば、親からの相続や贈与により取得した財産)は、その人の財産であり、他方がその財産について権利を有するということはありません(民法762条1項)。これが婚姻後の夫婦財産関係の原則です。これを「夫婦別産制」といいます。また、このように婚姻後も夫婦の一方だけが所有する財産のことを特有財産(固有財産)といいます。

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、離婚、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

婚約・内縁・同棲

1.婚約は、「婚姻の予約」という法律行為(契約)です。   ⇒ 一方的に婚約破棄された場合には、損害賠償・慰謝料の請求の対象となります。

 

2.内縁関係は、婚姻届を出していないだけで、実質的には婚姻関係と異なりません。   ⇒ 内縁を不当に破棄された場合には、財産分与・慰謝料の請求対象となります。

 

3.同棲とは、婚姻の意思を持つにいまだ至っていないあるいは婚姻の意思を持たないで共同生活をしている男女関係をいいます。   ⇒ 同棲相手から一方的に同棲生活を解消されても、慰謝料を請求することはできません。ただし、2人が婚約までしていた場合には、慰謝料等を請求することができる場合もあります。 4.内縁関係は、婚姻意思をもって共同生活を行い、社会的にも夫婦と認められている点で、同棲とは異なります。

 

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、離婚、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

抹消と登録免許税

不動産の所有権移転登記経由後に提起された同登記抹消登記請求を認容する判決に従い登記が抹消されても、登録免許税は過誤納金とならない。

1. 事件の概要

(1)  乙、丙及び丁らは、共謀してX会社(原告)から不動産売買代金等の名目で金員をだまし取ろうと企て、平成17年5月24日、丁において、X会社代表者甲に対し、本件土地の所有者であるかのように装い、偽造された本件土地の登記済権利証等を示し、本件土地をX会社に売却する意思を表示するなどして、甲に本件土地の所有権を取得できると誤信させ、X会社をして、本件土地を買い受ける旨の売買契約(本件売買契約)を締結させた上、売買代金7億1250万円を乙の銀行口座に振り込ませて詐取した。  X会社は、本件売買契約に際して、本件土地に自らを債務者とし、B会社を抵当権者とする抵当権を設定した。

(2)  X会社は、平成17年5月24日、法務局において、本件売買契約に基づく所有権移転を登記原因として所有権移転登記申請を行い、登録免許税として491万9700円を納付し、さらに、抵当権の設定登記申請を行い、登録免許税として354万8000円を納付した(本件納付)。  登記官は各申請を受けて、本件土地につき所有権移転登記(本件移転登記)及び抵当権設定登記(「本件抵当権登記」。本件移転登記と併せて「本件登記」という。)をした。

(3)  X会社は、本件土地の真の所有者から本件移転登記の抹消登記請求等を求める訴えを提起された。  平成19年5月29日、当該請求を認容する判決があり、同判決を登記原因として本件移転登記の抹消登記が同年8月29日になされ、また、平成18年6月8日、抵当権設定契約の解除を登記原因として本件抵当権登記の抹消登記がされた。

(4)  X会社は、いわゆる地面師詐欺によって無効な本件売買契約を締結させられて本件納付をしたものであり、①本件納付に係る登録免許税は国税の誤納金であって還付されるべきである、②本件納付により国(被告)に登録免許税相当額の利益が生じ、X会社に同額の損失が生じ、その間に因果関係があることは顕著であって、国の利得には法律上の原因がないから、X会社に不当利得返還請求権が認められるとして、その還付又は返還を求める本件訴えを提起した。

 

2. 本件判決の要旨

(1)  甲は、乙らの詐欺により丁を本件土地の真の所有者と誤信し、所有権を譲り受けられると誤信して本件売買契約を締結した上、売買代金を支払い、本件土地に抵当権を設定し、本件登記を申請して登録免許税を納付したこと、登記官は、X会社の申請のとおりに本件登記をしたこと、本件登記がされた後、抵当権設定契約の解除により本件抵当権登記の抹消登記手続が行われた上、判決により本件移転登記の抹消登記手続が命じられ、本件移転登記は抹消されたことが認められる。  そうすると、本件登記の申請は、申請の時点で上記事情が形式上明らかであれば、不動産登記法25条4号に該当し、登記官において却下すべきものであったが、形式上適法なものとして登記され、その後に、本件抵当権登記については、抵当権設定契約の解除により、本件移転登記については、判決により抹消登記手続を命じられたことにより、それぞれ抹消登記がされたものにすぎない。

(2) ア X会社は、本件納付をして一旦申請のとおりの形式上有効な本件登記を経由したのであるから、登記による利益を受けたというべきであって、本件納付に係る登録免許税は誤納金に当たるとは認められず、また、X会社は、本件登記に基づく納税義務に従って本件納付をしたものであるから、国に対する不当利得返還請求権も成立しない。 イ X会社は、物権的にも債権的にも登記請求権を有していない場合には登記自体が無効であり、登記が有効要件を欠いていたため抹消された場合、登記は遡って無効となり、登記等に伴う利益を受けておらず課税要件も充足されていなかったことになるから、登録免許税は誤納金となり、納税者は、その還付を求めることができると主張するが、登録免許税は、現に登記等を受けるという行為に対して画一的に課されるものと解されるから、主張は採用できない。  また、X会社は、一過性の事実として登記を経由したことを課税の対象と捉えることは、犯罪行為に加担、正当化する面も有するものであって正義公平に反すると主張するが、登録免許税は、登記等のそもそもの原因の性質を問わず、登記等があれば成立するものであり、中立的なものであって、主張は採用できない。

(3)  以上によれば、本件納付による誤納金は存在せず、X会社の還付請求又は不当利得返還請求は、いずれも理由がない。 ( 平成22年12月22日名古屋地方裁判所判決(確定))

 

3. 本件判決に対するコメント

(1)  本件判決について

  ア 本件納付は「過誤納金」に当たらないから、X会社の還付請求又は不当利得返還請求には理由がない、とした本件判決の判断は、正当なものといえる。

  イ 本件のような場合には、国に対して登録免許税の還付を求めることはできないことを考慮し、不法行為を行った相手方に対して損害賠償を求めることが、適切な対応ということができる。

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

遺言と相続

遺言書と異なる内容の遺産分割を行いたい

過日父が亡くなり、母、私、姉が相続人です。相続財産は土地と預貯金ですが、遺産はすべて母に相続させる旨の公正証書遺言がなされていました。相続人全員の話合いの末、私が土地、母が預貯金をそれぞれ相続することになりましたが、遺言と異なる内容の遺産分割を行いたいとき、どのようにすればいいのでしょうかという、依頼があります。 このような場合、本来であれば、遺言は遺言者の死亡時から効力を生じます(民法985条1項)ので、相続財産の帰属に関する有効な遺言が存在するときは、その遺言内容に従って相続財産の帰属が定まることになります。 相続財産の帰属に関する遺言には、遺贈や遺産分割方法の指定など異なる内容の遺産分割を成立させる意思を有している場合であっても、遺言執行者がいるときに、遺言執行の参加ないし同意なしに遺産分割協議を成立させられるかが問題となります。

 

遺産分割協議書の作成上の留意点

遺言内容と異なる遺産分割協議書を作成する上では、遺言の存在とその内容を認識していることを明らかにするべきであるといえます。そもそも、遺言の存在を知らない相続人が一人でも存在するときは、たとえ遺産分割の内容自体について全相続人の間で協議が整ったとしても、遺言内容と異なる遺産分割をするとの点についての合意が成立しているとはいえません。仮に、遺産分割協議書に署名捺印がなされたとしても、遺言の存在を知らない相続人がおり、その者が遺言の存在や内容 を知っていたならば遺産分割協議書の内容に同意しなかったであろうと認められる場合には、錯誤による意思表示であると評価され、その遺産分割協議は無効であると解されます。 それゆえ、「相続させる」 旨の遺言がなされたときなど、遺産分割方法の指定がなされたときは、遺産分割協議書の中に、遺言の存在とその内容を明記したうえで、相続人全員の総意でその内容と異なる遺産分割を行う旨を明らかにすべきです。また、特定の相続人に対して特定遺贈がなされた場合には、当該相続人が遺贈の放棄をする旨を明記すべきであり、そのことによって、遺言の存在とその内容を認識していることが明らかにされるといえます。 このような記載をすることにより、遺言内容を知っていたならば遺産分割協議に応諾しなかったから遺産分割協議は錯誤により無効であるとの主張が後日なされることを封じることになり、紛争防止に役立ちます。

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

抹消と登記

会社清算結了後にする抵当権抹消登記申請等

 抵当権登記抹消手続を遺漏し、そのまま会社清算結了した場合に、当時の清算人を代表者として右の抵当権抹消登記申請があった場合、受理できるかどうかという疑問がありますが、抵当権登記抹消手続を遺漏し、そのまま会社清算結了した場合に、当時の清算人を代表者としてこの抵当権抹消登記申請があった場合、受理できるとされています。また、右抵当権者が登記上の利害関係人となった場合の承諾書に添付する印鑑証明書は、清算人個人の印鑑証明書でよいとのことです(昭和28、3、16民事甲383号民事局長通達参照、登記研究151号))。

 

法人の清算結了登記後の抵当権の抹消登記手続

 法人名義の抵当権設定登記が残っていて、当該法人の清算結了前に債権及び抵当権が消滅している場合には、清算結了登記後においても清算人より抵当権抹消登記を申請できるかどうかという疑問がありますが、法人の清算結了前に債権及び抵当権は消滅しているが、抵当権の登記については、清算結了後にもその抹消登記が未了である場合は、旧清算人から便宜抵当権抹消登記を申請することができるとされています(登記研究23号)。

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

遺言と遺産分割

遺言書の内容と異なる遺産分割協議

被相続人甲は、公正証書遺言で『妻乙にすべての財産を相続させる』という遺言を残していたが、相続人である妻乙、長男A、長女B、二女Cは甲の相続財産について、全員の協議で「長男Aがすべてを相続する」という分割協議が成立した場合、 どのような登記を申請するすることができるのでしょうか?

1.遺言による相続登記申請の場合

 (1)被相続人甲の死亡の記載のある戸籍(除籍)事項証明書  (2)被相続人甲に除かれた住民票  (3)相続人乙の住民票  (4)公正証書遺言 と、比較的に簡単に相続登記申請を行うことが出来ます。また、遺言者の意思を尊重するためにも遺言内容を登記内容とすべきであると考えます。なぜなら、遺言は死亡と同時に何の障害もなく実行されなければならないという物権変動の原理があるからです。  しかしながら、遺言者の意思どおりではなく、受遺者も含めて、相続人全員がこの公正証書の内容を踏まえて、相続財産についてあらたに遺産分割の協議をすることも許されています

2.遺産分割協議書による相続登記申請となる場合

 (1)被相続人の出生から死亡に至るまでの除籍、改製原戸籍、戸籍謄本(戸籍事項証明書)  (2)被相続人甲に除かれた住民票  (3)相続人乙の住民票  (4)遺産分割協議書  (5)印鑑証明書(3か月以内でなくても登記申請は可能ですが、金融機関の相続手続きには3~6か月以内というように有効期限があります。)

 

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅西口から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

相続と相続物件漏れ

以前作成した遺産分割協議書に物件が漏れていた!

多数の不動産を所有していた被相続人に関する相続登記は、相続人においてその所有する不動産が把握できないのが悩みです。 市区町村長において、名寄せを取得して、物件の確定を専門家はするのですが、公衆用道路は固定資産税が課税されないため、相続人はその相続手続きを遺漏してしまうことがあります。 当事務所では、あらたに不動産(財産)が発見された場合に、再び遺産分割協議書を作成しないでいいように遺産分割協議書を作成しております。

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

相続と自筆遺言

相続を証する書面として検認を経ていない自筆証書遺言が申請書に添付された所有権移転の登記の申請の受否

 検認を経ていない自筆証書の遺言書を相続を証する書面として申請書に添付した相続による所有権移転の登記の申請は、不動産登記法第49条第8号の規定により却下することが相当である。 (平7.12.4、民三第4,344号民事局第三課長通知・先例集追Ⅷ698頁、登研585号133頁、月報51巻5号250頁)

 

遺言書の検認の要否

 家庭裁判所の検認手続を経ていない自筆遺言書に基づき相続による所有権移転登記の申請をする場合、申請書に当該遺言書は被相続人の自筆遺言書である旨の相続人全員が署名捺印した上申書(印鑑証明書付)を添付しても、当該遺言書が自筆遺言書であるか否か確認できないので、当該登記申請は受理できない。  ⇒ 検認手続を経ていなければ、自筆遺言書と認定できない。(登研480号)

 

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、自筆証書遺言の検認手続、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

0 コメント

遺言と相続

遺言の効力

遺言者の死亡以前に受遺者が死亡していたときの遺言の効力について 甲が、乙・丙(夫婦)に、A土地の所有権を2分の1あて遺贈する旨の遺言書を残して死亡しましたが、甲の死亡前に受遺者の一方の乙が死亡していた場合、民法994条1項により、乙について遺贈の効力が生じないこと、また、代襲遺贈も認められないことから、受遺者の他方である丙がA土地につき2分の1のみ所有権を取得します。(登記研究414号)

 

 

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

0 コメント

相続と行方不明者

失踪宣告と司法書士

行方は分からないけれど、生存していることが明らかな場合、また、失踪宣告の要件(普通失踪で7年間)を満たしていない時には、家庭裁判所へ不在者財産管理人の選任を申し立てることも司法書士はできます。不在者財産管理人が選任されたら、その管理人と遺産分割協議をすることになります。 しかし、不在者が生死不明であり、失踪宣告の要件(普通失踪で7年間)を満たしているときには、失踪宣告を選択するのが普通だと思われます。仮に、不在者財産管理人を選任したとしても、最終的には失踪宣告の申し立てをする必要があるからです。 司法書士は家庭裁判所への失踪宣告の申立書の作成のみならず、ご依頼により申し立ての添付書類である行方不明者(不在者)の戸籍謄本、戸籍付票を取り寄せることができます。また、家庭裁判所による失踪宣告により、不在者が死亡されたとみなされた場合、その後の遺産分割協議書の作成や各種相続財産の名義変更手続きも司法書士が行うことができますので、不在者の生死が不明の場合はお気軽にご相談ください。

横浜、戸塚、栄、泉、瀬谷、旭、港南、南区の相続手続きはもちろんのこと、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜、戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

相続が発生した!兄が行方不明、どうすればいいの?

失踪宣告の申立手続き

1. 概要

 不在者従来の住所又は居所を去り,容易に戻る見込みのない者)につき,①その生死が7年間明らかでないとき(普通失踪),又は②戦争,船舶の沈没,震災などの死亡の原因となる危難に遭遇しその危難が去った後その生死が1年間明らかでないとき(危難失踪)は,③家庭裁判所は,利害関係人の申立てにより,失踪宣告をすることができます。  失踪宣告とは,生死不明の者に対して,法律上死亡したものとみなす効果を生じさせる制度です。また,仮に不在者が婚姻をしていれば,死亡とみなされることにより,婚姻関係が解消します。  なお, 行方不明の配偶者と離婚したい場合は,配偶者を死亡したものとみなすのではなく,行方不明の配偶者を被告とする離婚訴訟の手続を利用する必要があります。  以下は横浜家庭裁判所の場合です。

2. 申立人

 利害関係人(不在者の配偶者,相続人にあたる者,財産管理人,受遺者など失踪宣告を求めるについての法律上の利害関係を有する者)

3. 申立先

 不在者の従来の住所地又は居所地の家庭裁判所

4. 申立てに必要な費用

•収入印紙800円分 •連絡用の郵便切手 500円×2枚,82円×15枚,52円×1枚,20円×10枚,10円×10枚 合計2,582円

•官報公告料4298円(失踪に関する届出の催告2725円及び失踪宣告1573円の合計額。
 裁判所の指示があってから納めてください。)

5. 申立てに必要な書類

 (1) 家事審判申立書(失踪宣告)

 (2) 標準的な申立添付書類

   •不在者の戸籍謄本(全部事項証明書)

   •不在者の戸籍附票

    •失踪を証する資料

   •申立人の利害関係を証する資料
(親族関係であれば戸籍謄本(全部事項証明書))

6. 手続の流れに関する説明

(1) 失踪宣告の申立をした後は,どのような手続が行われるのか。

         家庭裁判所調査官による調査
  (多くの場合,申立人や不在者の親族などに対し)が行われます。

(2) 公示催告

       

  家庭裁判所による公告(官報や裁判所の掲示板で催告)   

   裁判所が定めた期間内(3か月以上。危難失踪の場合は1か月以上)に,

   ①不在者について失踪の宣告の申立てがあったこと,   

     ②不在者は、一定の期間までに生存の届出をするように,

   ③不在者の生存を知っている人は,一定の期間までにその届出をするように

   ④その期間内に届出などがなかったときに失踪の宣告がされます。

(3)  家庭裁判所による失踪の宣告

     

前記(2)の公告期間が満了した場合,家庭裁判所は失踪宣告をします。 失踪宣告の審判が確定したときは,裁判所書記官は遅滞なくその旨を公告し,失踪者の本籍地の市町村長に対して通知します。

(4)  失踪宣告後の戸籍の届出

     

①申立人には,戸籍法による届出義務があります。 審判が確定してから10日以内に,市区町村役場に失踪の届出をし
なければなりません。
届出には,審判書謄本と確定証明書が必要
になります。
③審判をした家庭裁判所に確定証明書の交付の申請をします。
④確定証明書は,家庭裁判所に備付けの申請用紙がありますので,
申請用紙に必要事項を記入し,150円分の収入印紙,郵送の場合には
返信用の切手を添えて,審判をした家庭裁判所に申請してください。

 

横浜 戸塚 栄 泉 瀬谷 旭 港南 南区の相続手続きはもちろんのこと、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、家事事件の申立書作成、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜 戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

離婚した子供に相続権はあるの?

相続人は誰なのでしょうか?

下記の図のような相続関係において、同居していない被相続人の前婚の子供XYにも相続権があるのでしょうかという相談があります。
「はい、現在同居されていない前の奥様との間の子供XYにも相続権があります。」と言う回答ができます。法定相続分は、乙が1/2、XY丙がそれぞれ1/2×1/3=1/6となります。遺言書がない場合、残念ながらと言うしかないのですが、民法は、被相続人の子(離婚した前婚の子や死亡した前妻(配偶者)との間との子供)はいずれも相続人になると規定しています。
【図】

(法定相続分)

第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、注)嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。 【民法の改正の概要】
注)平成25年12月4日、「民法の一部を改正する法律」が成立し、第4号但し書きの前半部(「摘出でない…2分の1とし」の部分)は削除されました。

【法定相続分】
相続順位 血縁相続人 血縁相続人の相続分 配偶者の相続分
第一位 1/2 1/2
第二位 直系尊属 1/3 2/3
第三位 兄弟姉妹 1/4 3/4
横浜 戸塚 栄 泉 瀬谷 旭 港南 南区の相続手続きはもちろんのこと、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜 戸塚駅から徒歩2分の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

相続が発生した!どうしたらいいの?

遺言書がありますか?

遺言書がある場合、相続手続きは遺言の内容によって遂行することになりますが、自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所で検認の手続きをします。 また、自筆証書遺言の場合、遺言執行者の指定がなければ、家庭裁判所に遺言執行者の選任申立てを行います。遺言執行者の指定がなくても、相続登記手続きはできますが、遺留分減殺請求が行使されることが予想される場合もありますので、金融資産がある場合は、金融機関から遺言執行者の選任の申立てをお願いされることがあります。相続人間で争いが一切予想されないときは、遺言執行者の選任申立てをする必要がないという意見もあります。必要に応じて、対応しましょう。 公正証書遺言である場合は、家庭裁判所で検認の手続きは不要です。

横浜 戸塚 栄 泉区の相続手続きはもちろんのこと、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜 戸塚駅 西口徒歩2分 司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

相続登記と家庭裁判所の審判?どうすれば登記できるの?

相続分の譲渡

 家庭裁判所での遺産分割の審判書によると、調停の途中で相続人である被相続人の兄弟相続人9人(相手方)中の3人が被相続人の配偶者(申立人)に相続分を譲渡したため、調停の手続きから排除するとの決定が出ておりました。審判書の相手方は残りの6人の相続人となっていました。 このような審判書での相続登記の依頼を受けた場合、登記申請の登記原因証明情報として、何を添付すればよいか?という疑問をお持ちになったことがあると思います。
相続分の譲渡の性質、方式等について 相続分の譲渡とは、積極財産はもとより消極財産をも含む包括的な遺産全体に対して共同相続人の一人が有する包括的持分権ないし相続人たる地位を譲渡することであり、相続分の譲渡があったときは、譲渡人が有する一切の権利義務が包括的に譲受人に移るとされています(最高裁判所判例解説50年度・510 ページ、民法905条参照)。 また、「相続分の譲渡」とは、積極財産と消極財産とを包含した遺産全体に対する譲渡人の割合的な持分(包括的持分)の移転をいいます(参照:最三小判平成13年7月10日(民集55巻5号955ページ))。よって、共同相続人の一人への譲渡は、「相続放棄」や「遺産分割」に類似する機能が生まれるのです。 また、相続分の譲渡は民法905条1項に「共同相続人の一人が分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは」と規定されているとおり、遺産分割前に限ってすることができます。これは、遺産分割により相続財産の帰属が確定した後は、そもそも相続分という概念がなくなるからだと考えられます。なお、同条は「第三者に譲り渡したとき」とされていますが、この第三者には共同相続人以外の者に限らず、共同相続人であってもよい(中川淳「相続法逐条解説上」277ページ以下)とされています。 登記手続については、相続分の譲渡が行われる場合として、共同相続人に対して行われる場合と、共同相続人以外の第三者に対して行われる場合があります。また、譲渡のタイミングとして、いまだ共同相続の登記がされていない聞にされる場合と、共同相続の登記後にされる場合とが考えられますが、共同相続人以外の第三者に相続分の譲渡をした場合は、いったん共同相続の登記を経由した上でないと、譲受人名義の登記をすることができないとされています(登記研究728号、登記研究491号107ページ)。
そして、共同相続人が共同相続登記がされる前に相続分の譲渡を受け、遺産分割協議の結果その不動産を相続したときは、譲受人は「相続」を原因として直接自己名義に相続登記を申請することができるとされています(昭和59年10月15日民三第5195号民事局第三課長回答・先例集追Ⅶ449頁、登研444号99頁))。

1 共同相続人A・B・C・DのうちA・B・Cがその相続分をDに譲渡した場合は、被相続人名義の不動産につき、A・B・Cの印鑑証明書付相続分譲渡証書を添付して、Dから、D1人を相続人とする相続登記を申請することができる。 2 共同相続人A・B・C・DのうちA・Bがその相続分をDに譲渡し、D・C間で不動産はDが取得する旨の遺産分割協議が成立した場合には、被相続人名義の不動産につき、A・Bの印鑑証明書付相続分譲渡証書及びD・C間の遺産分割協議書を添付して、D1人からD1人を相続人とする相続登記をすることができる。

また、共同相続登記後にする相続分の譲渡に係るは、「相続分の売買」「相続分の贈与」を登記原因として登記の申請をすることができるとされています(登記研究506号148ページ)。 ところで、相続分の譲渡は、口頭でも可能な不要式行為でありますが、相続分の譲渡に基づく登記を申請する場合は、不動産登記手続が書面主義を採用していることから、共同相続人間で相続分の譲渡が行われた場合において、相続を原因とする所有権移転登記をするときは、登記申請書に相続を証する書面の一部として相続分譲渡証明書を添付しなければなりません。この場合において、譲渡人が作成した相続分譲渡証明書が私署証書であるときは、譲渡人が作成した信ぴょう性及びその法律行為が有効に成立していることを担保するために、作成者である譲渡人の印鑑証明書の添付を必要としています。 相続分譲渡に関する遺産分割調停調書を添付した相続による所有権移転登記申請については、「家事調停において遺産分割協議をした子の一人が『その相続分を他の相続人に譲渡し、その共有者であることを認める』旨の記載のある調停調書を添付して、この子を除いた他の共同相続人に直ちに相続による所有権移転の登記をすることができる」(昭和40年12月7日民甲第3320号民事局長回答)としています。これは、その相続分の譲渡が遺産分割調停という公的手続の中で行われており、その合意が常にすべて無効となるものではなく、それ自身が内容を裁判所書記官という権限のある者が証明していることから、その書面の信ぴょう性及び法律行為の有効性の担保が十分であるから、何ら問題はないと言えます。 本件は、「相続人である被相続人の兄弟相続人9人(相手方)中の3人が被相続人の配偶者(申立人)に相続分を譲渡したため、調停の手続きから排除する」という遺産分割調停審判書が添付されていますので、この登記申請の登記原因証明情報は審判書及び確定証明書のみでよいと考えます。

なお、甲不動産の所有権の登記名義人であるXが死亡し、その法定相続人の全員(A、B及びCの3名)を登記名義人とする相続による所有権の移転の登記がされている場合において、①A、B及びC間でCの相続分の全部をA及びBに対して譲渡する旨の調停がされ、その後、②AB間で甲不動産をAの単有とする旨の遺産分割協議が行われたときは、①の調停調書及び②の遺産分割協議書を添付情報とし、遺産分割を登記原因として、B及びCの持分の全部をAに対して移転する所有権の移転の登記をすることができるかどうかについて、相続分の譲渡による所有権の移転の登記をすることなく、遺産分割を登記原因として、直接、B及びCからAへの所有権の移転の登記をすることができるとされています(登記研究787号)。
横浜 戸塚 栄 泉区の相続手続きはもちろんのこと、民事信託、成年後見、公正証書遺言の作成手続、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

自筆遺言・執行・供託

自筆証書遺言の検認申立て

自筆証書遺言の検認申立てを行い、合わせて、遺言執行者の選任申立てをし、遺言執行者が選任されました。 兄弟相続人4名に等分に分割するという遺言の内容でした。ところが相続人4名のうち1名の住民票を見ると、平成28年6月30日海外転出につき消除されておりました。 当然、海外の居住地は記載されておりません。除票地に郵便を送付しても返送されました。 預貯金は4等分し、3名には分割でき、送金もできるのですが、残余の金員はどうしたらよいのかということになりました。
考え方として、①弁済供託可能か、債権者不確知を理由とするのか、 受領不能を理由とするのか ②不在者財産管理人の選任が必要になるのか という疑問が生じるところですが、
遺言執行者の業務として、 1:遺言執行者に就任したことを知らせる「就任通知書」の作成 2:相続人全員の戸籍等の収集(相続人の確定) 3相続財産の目録の作成(民法第1011条)があり、遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない、ということですので、終了報告の際に、1名の方は供託しましたということよりも、日本在住の兄弟の相続人に海外居住の兄弟の所在を聞くということも必要だと考えます。
兄弟が疎遠で何も知らないということになれば、遺言執行者が供託者となり、弁済供託の受領不能(賃貸人の所在不明の場合の供託)を理由に供託できます。債権者不確知(賃貸人が死亡し,その相続人が不明の場合の供託)には該当しません。不在者財産管理人を選任する必要はないと言えます。
法務省・供託書等の記載例

相続はもちろんのこと、公正証書遺言の作成手続、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜 戸塚の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

相続・遺言

<公正証書遺言の作成について>

1.法定相続人は妹Aと死亡した妹Cの甥Bの2人です。今般、遺言者甲は、A1人に全部を相続させるという遺言をしたいという相談です。

2.Bに一切負担をかけないで遺言書の作成はできるのでしょうか?
 ①公正証書遺言とは、ご本人の意思で作成する遺言ですから、Bに一切関係なく、知らせることもなく作成することができます

②公正証書遺言を作成し、かつ、遺言執行者を法的専門家である司法書士・行政書士に指定されていると、甲が死亡し、相続が発生した時には、すべてその遺言執行者が遺言の内容を執行してくれるので、Aの事務負担は一切ありません。執行費用は別途発生します。相続財産の○○%とか。

③公正証書遺言を作成するときに必要な書類は、

【1】 遺言者の戸籍謄本と印鑑登録証明書(3か月以内)

※ 印鑑登録証明書に換えて運転免許証、住民基本台帳カード(顔写真付き)でも可

【2】 財産をもらう人の書類 財産をもらう人が相続人の場合は、遺言者との関係がわかる戸籍謄本(遺言者の戸籍謄本に記載されている場合は不要) 財産をもらう人が相続人でない場合(友人など)は、住民票

【3】 財産のなかに不動産がある場合

(1) 土地・建物の登記事項証明書(法務局で交付)又は全部事項情報(民事法務協会の登記情報提供サービス) (2) 固定資産税の納税通知書(毎年4月頃に自宅に届くもの)

   または、固定資産評価証明書(市役所、都税事務所で交付)

【4】 貯金、動産、有価証券等 預金、株券等について、個別に記載する場合は、通帳等のコピー

【5】 立会証人2名の住民票 各1通 (自動車運転免許証、保険証のコピーでも可)

注) 次の人は証人になれません。  

  ・ 推定相続人(第一順位の相続人等)及びその配偶者並びに直系血族

  ・ 受遺者(受遺者とは、相続人以外の人で遺贈を受ける人のことです。)及びその配偶者並びに直系血族        ・ 未成年者

    当事務所にて証人の立会はできますので、お申し付けください。

 

※遺言者が病気又は高齢等のために体力が弱り公証役場に赴くことができず,公証人が,病院,ご自宅,老人ホーム等に赴いて公正証書を作成する場合には,上記の手数料が50%加算されるほか,公証人の日当と,現地までの交通費がかかります。

■ 遺言(公正証書)を作成する場合の司法書士の手数料

□□ 遺言書作成報酬         70,000円~

☆遺言により、相続させ又は遺贈する財産の価額や内容により変動があります。

□□ 遺言書作成立会証人(2人)   30,000円

☆場所により、交通費及び日当が別途かかります。

□□本人との事前面接出張費用(半日) 30,000円

■ 公証人費用 (目的財産の価額)

(手数料の額)  5,000万円まで 29,000円

  このほかに公正証書正本・謄本の作成手数料が4,000円程度かかるとみて下さい。

相続はもちろんのこと、公正証書遺言の作成手続、遺言執行者の指定についても当事務所は受任できますので、実務経験豊かな横浜 戸塚の司法書士・行政書士高田秀子事務所までご連絡願います。

 

相続人が海外在住

相続人中に海外在住者がいる場合のサイン証明(署名証明)

遺産分割協議書へは、相続人全員が署名および実印による押印をし、印鑑証明書を添付します。
しかし、相続人が海外に住んでいて印鑑証明書の交付を受けられない場合、印鑑証明書の代わりにサイン証明(署名証明)を利用することになります。 サイン証明とは、海外在留で日本には住民登録をしていない方に対し、日本の印鑑証明に代わるものとして発給されるもので、申請者の署名(及び拇印)が確かに領事の面前でなされたことを証明するものです。 具体的な手続としては、遺産分割協議書を在外公館(外国にある日本国大使館、総領事館)に持参して、領事の面前で署名および拇印を押捺し、遺産分割協議書と署名証明書を綴り合わせて割り印をします(奥書認証)。 なお、遺産分割協議書への署名は領事の面前で行う必要がありますから、事前に署名をせずに持参しなくてはなりません。 サイン証明には、上記と合わせて2種類の方法があります。

1. 持参書類(遺産分割協議書)とサイン証明を綴り合わせて割印し、一体の書類としたものに奥書認証するもの

2. 申請者の署名を単独で証明するもの(サイン証明のみを単独で発行) 登記申請に使う場合は、原則として1の方法によるサイン証明を使用します。
サイン証明の例

その他、サイン証明(署名証明)については、外務省の各種証明・申請手続きガイドも参考にしてください。

 

相続手続きは 実務経験豊富な 横浜 戸塚 司法書士高田秀子事務所までお電話ください。

兄弟姉妹の相続放棄

兄弟姉妹が相続人となる場合、相続放棄できる期間

被相続人の兄弟姉妹が相続人となるのは次の場合です。 1.被相続人に子(または、その代襲相続人)がおらず、直系尊属(父母、祖父母)が全員亡くなっているとき。 2.被相続人に子(または、その代襲相続人)や、存命の直系尊属がいるが、その全員が相続放棄をしたとき。 兄弟姉妹が相続人となる場合で、相続放棄できる期間は次のとおりです。 上記1の場合には相続開始(被相続人の死亡)と同時に、兄弟姉妹が相続人となりますから、相続の開始を知ったときから3か月間です。相続の開始を知った時とは、被相続人の死亡の事実を知った時ですから、亡くなったことを知らなかった場合には、知った時から3か月間だということです。 2の場合には、先順位の相続人がすべて相続放棄をしたことにより、自分が相続人となったことを知ったときから3か月間です。自分が相続人となったことを知った時とは、先順位の相続人がすべて相続放棄をしたことを知った時です。 したがって、先順位の相続人全員が相続放棄をしていても、そのことを知らせてくれていなかったような場合には、その事実を知った時から3か月間であれば相続放棄ができることになります。 いずれの場合であっても、知った時から3か月というのは、亡くなったこと、先順位者全員が相続放棄したことといった「事実を知った時」を指しています。 上記のような事実は知っていたけれども、自分が法定相続人に当たるとは知らないでいるうちに3か月間が過ぎてしまったらどうでしょうか。この場合、3か月経過後に自分が相続人であることを知ったとしても、もはや相続放棄をすることはできません。 なお、被相続人よりも先に兄弟姉妹が亡くなっているときには、その兄弟姉妹に子がいるときには代襲相続が生じます。したがって、被相続人の甥っ子、姪っ子が相続人になることもあります。

 

兄弟姉妹が相続人放棄するときの必要書類

家庭裁判所へ相続放棄の申立が出来るのは、現実に相続人になってからです。たとえば、被相続人の父母と兄弟姉妹が同時に相続放棄の申立をすることはできません。兄弟姉妹が相続人になるのは、直系尊属(父母、祖父母)が全員相続放棄したときだからです。 そのため、兄弟姉妹が相続放棄をするときには、被相続人の子(および、その代襲者)のすべて、および存命である直系尊属の有無を明らかにしなけれなばりません。少なくとも、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍(除籍、原戸籍)のすべてを取得しなければなりませんし、他にも多数の戸籍等が必要となる場合が多いです。 被相続人の兄弟姉妹が、自分自身でそのような戸籍等を集めるのは困難となることでしょう。

そこで、家庭裁判所への相続放棄の申立とあわせて、必要な戸籍等の収集についても、横浜 戸塚でベテラン司法書士高田秀子事務所にご依頼いただければ安心です。

再転相続

再転相続

 甲が死亡して乙が相続人となったが、三か月以内の承認又は放棄の熟慮期間内に乙が選択権を行使することなく死亡し、丙が乙の相続人となったような場合を「再転相続」という。

 この場合、丙は乙の死亡による自己の相続について承認又は放棄の選択権があるだけでなく、甲死亡による乙の相続について承認又は放棄の選択権も持っていることになる。

 代襲相続の場合は、甲→(乙)→丙、のように乙が甲より先に死亡しているため、丙が乙の地位に上がって甲を相続することになり、相続は一つであるが、再転相続の場合は、甲⇒乙、乙⇒丙と二つの相続が順次開始している

 また、再転相続の場合の熟慮期間は、丙が自己のために乙の相続が開始したことを知った時から三か月以内と定められている(民法第916条)。

 ※甲が死亡して、その相続人である乙が甲の相続につき承認又は放棄をしないで死亡し、丙が乙の法定相続人となった、いわゆる再転相続の場合には、丙が乙の相続につき放棄をしていないときは、甲の相続につき放棄をすることができ、かっ、甲の相続につき放棄をしても、それによっては乙の相続いわゆる再転につき承認又は放棄をするのになんら障害にならない。

 また、その後丙が乙の相続につき放棄しても、丙が先に再転相続人たる地位に基づいて甲の相続につきした放棄の効力がさかのぼって無効になることはない(最判昭63.6.21判決)。

 

 

第1の相続

(被相続人甲)

第2の相続

(被相続人乙)

丙の選択

の可否 

 
承認 承認 可能 丙は甲と乙の遺産を承継
放棄 承認 可能 丙は乙の遺産のみを承継
放棄 放棄 可能 丙の次順位の相続人が甲、乙の遺産を承継
承認 放棄 不可(※) 甲の遺産は、丙の次順位の相続人が継承

※ 丙が第2の相続を放棄した場合は、第1の相続を承認又は放棄することはできない。第2の相続を放棄した丙は、この放棄によって第1の相続の選択権も相続しなかったことになるからである(最判昭63. 6. 2 1判決)。

再転相続(2)

事 例

被相続人Aの相続につき、代襲相続人Dが熟慮期間中に、相続の承認又は放棄を行わないまま死亡したため、Dの相続人EがAを被相続人とする相続(第1相続)とDを被相続人とする相続(第2相続)の双方を相続(再転相続)した。  再転相続人であるEが先に第2相続を放棄した場合、第1相続について承認又は放棄することができるのか。  その場合に第1相続について他の相続人Bは全部相続取得できるのか、AもDも遺言はありません。  

 

 

回 答

 再転相続人であるEが、第1相続に関する相続選択権を行使することなく、先に第2相続について放棄をした場合は、それによってEはDが有していた第1相続に関する相続選択権を失うこととなり第1相続については、Eが承認又は放棄することはもはやできない。
しかし、Eが第1相続の相続分がなくなるわけではなく、依然として、DはAの相続人であることに変わりなく、その相続分はDに帰属する
したがって、第1相続についてのDの相続分は、Eが相続選択権を失ったため、Eの次順位の相続人に帰属し、当該相続人がいなければDについて相続人不存在の手続を行うこととなる(注1)。
 この場合、第1相続の他の相続人Bは、第2相続の次順位相続人ではないので、第1相続についてのDの相続分を相続取得することはできない。

 

(注1)再転相続人の相続放棄(登研770号)
 ○要旨 下図(省略)の相続関係において、再転相続人であるJ及びKがHの相続(第2の相続)を放棄した場合において、Cの相続(第1の相続)についてのGの相続放棄申述受理証明書及びHの相続(第2の相続)についてのJ及びKの相続放棄申述受理証明書を申請書に添付してされたDのみを登記名義人とする相続を原因とする所有権の移転の登記の申請は、受理をすることができない。  ▽問 下図(省略)の相続関係において、被相続人Cが死亡し、その代襲相続人であるHがCの相続(第1の相続)について相続選択権を行使することなく、熟慮期間内に死亡したところ、その再転相続人であるJ及びKは、Hの相続(第2の相続)について放棄をしました。この場合において、Cの相続(第1の相続)についてのGの相続放棄申述受理証明書及びHの相続(第2の相続)についてのJ及びKの相続放棄申述受理証明書を申請書に添付してされたDのみを登記名義人とする相続を原因とする所有権の移転の登記の申請は、受理をすることができないと考えますが、いかがでしょうか。  ◇答 御意見のとおりと考えます。 (・被相続人Cは、平成24年3月1日に死亡した。  ・Cには、配偶者及び子はなく、両親A・Bは、Cよりも先に死亡している。  ・Cの兄弟姉妹D・Eのうち、Eは、Cよりも先に死亡しており、Eには、配偶者F及び子G・Hがいる。  ・Hは、Cの相続について、相続選択権を行使することなく平成24年4月1日に死亡し、Hには、離婚した配偶者I及び子J・Kがいる。  ・Gは、Cの相続について相続の放棄をした。  ・J・Kは、Hの相続について相続の放棄をし、その後、FもHの相続について相続の放棄をし、さらに、GもHの相続について相続の放棄をした。)

相続放棄

相続放棄相談から解決(申請受理)までの流れ

1.まずは当事務所にお電話にてご相談下さい。相続をしようとしたら,借金があった!借金は相続したくない,どうしたらいいのかと,お悩みでしたらまずはご相談ください。実務経験豊富な当事務所の司法書士が,親切・丁寧に依頼者のご相談に乗ります。
相続放棄のご相談はいつでも無料です。

相続の放棄の申述に必要な書類


1. 申述人
 相続人(相続人が未成年者または成年被後見人である場合には,その法定代理人が代理して申述します。)
 未成年者と法定代理人が共同相続人であって未成年者のみが申述するとき(法定代理人が先に申述している場合を除く。)又は複数の未成年者の法定代理人が一部の未成年者を代理して申述するときには,当該未成年者について特別代理人の選任が必要です。
2. 申述期間
申述は,民法により自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないと定められています。
3. 申述先 被相続人の最後の住所地の家庭裁判所
4. 申述に必要な費用
• 収入印紙800円分(申述人1人につき)
• 連絡用の郵便切手(82円×5枚,10円×5枚 合計460円)
5. 申述に必要な書類
(1) 相続放棄の申述書
(2) 標準的な申立添付書類
※ 同じ書類は1通で足ります。
※ 戸籍等の謄本は,戸籍等の全部事項証明書という名称で呼ばれる場合があります。
※ もし,申述前に入手が不可能な戸籍等がある場合は,その戸籍等は,申述後に追加提出することでも差し支えありません。
※ 必要な場合は,追加書類の提出をお願いすることがあります。

【共通】

1. 被相続人の住民票除票又は戸籍附票
2. 申述人(放棄する方)の戸籍謄本
【申述人が,被相続人の配偶者の場合】
3. 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
【申述人が,被相続人の子又はその代襲者(孫,ひ孫等)(第一順位相続人)の場合】
3. 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
4. 申述人が代襲相続人(孫,ひ孫等)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
【申述人が,被相続人の父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合(先順位相続人等から提出済みのものは添付不要)】
3. 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
4. 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
5. 被相続人の直系尊属に死亡している方(相続人より下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合,父母))がいらっしゃる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
【申述人が,被相続人の兄弟姉妹及びその代襲者(おいめい)(第三順位相続人)の場合(先順位相続人等から提出済みのものは添付不要)】
3. 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
4. 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
5. 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
6. 申述人が代襲相続人(おい,めい)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
6. その他
相続人が,自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に相続財産の状況を調査してもなお,相続を承認するか放棄するかを判断する資料が得られない場合には,相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立てにより,家庭裁判所はその期間を伸ばすことができます。
7. 手続の内容に関する説明
Q1. 夫は数年前に死亡しているのですが,相続放棄の申述をすることはできるのですか。
A. 相続放棄の申述は,相続人が相続開始の原因たる事実(被相続人が亡くなったこと)及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知ったときから3か月以内に行わなければなりません。ただし,相続財産が全くないと信じ,かつそのように信じたことに相当な理由があるときなどは,相続財産の全部又は一部の存在を認識したときから3か月以内に申述すれば,相続放棄の申述が受理されることもあります。
Q2. 受理されたときは,どのような手続をすればよいのですか。
A. 亡くなった人の財産を管理している場合は,相続人に引き継ぐことになります。また,債権者から債務の請求をされている場合には,債権者に対して,家庭裁判所で相続放棄の申述が受理されたことを連絡するのがよいかと思われます。
Q3. 相続放棄が受理された証明書がほしいのですが,どのように申請するのですか。
A. 家庭裁判所に備付けの申請用紙がありますので,申請用紙に必要事項を記入し,1件につき150円分の収入印紙,郵送の場合は返信用の切手を添えて,受理をした家庭裁判所に申請してください。直接,受理した家庭裁判所まで申請にいらっしゃるときは,印鑑及び受理通知書や運転免許証などの本人を確認することができるものを持参してください。

お墓、遺骨は相続財産に含まれるか

お墓、遺骨は相続財産に含まれるか?(祭祀財産の所有権)

お墓(墓地、墓石)は相続財産(遺産)に含まれません。お墓などの祭祀財産(さいしざいさん)は、相続とは関係なく祭祀を主宰すべき者(祭祀承継者)が承継するものとされています。
祭祀財産とは、祖先を祭るために使用される家系図、位牌、仏壇、墓碑、墓地などをいいます。祭祀財産は相続財産に含まれないのですから、被相続人が指定すれば、内縁の妻など法定相続人でない人が引き継ぐこともできます。 また、相続放棄をした場合であっても、祭祀財産を引き継ぐことはまったく問題ありません。

1.祭祀財産(さいしざいさん)の所有権は誰にあるのか

お墓、位牌、仏壇などの祭祀財産を誰が引き継ぐかについては、民法897条で定められています。
(相続の一般的効力)
民法第896条  相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。 (祭祀に関する権利の承継)
民法第897条
 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2  前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。 「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する(民法896条)」ことの例外として、系譜、祭具及び墳墓の所有権は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継するわけです。 系譜、祭具及び墳墓などを、祭祀財産といいます。祭祀財産に含まれるのは、祖先を祭るために使用される家系図、位牌、仏壇、墓碑、墓地などです。これらの祭祀財産は遺産に含まれず、祖先の祭祀を主宰すべき者(祭祀承継者)が承継します。

2.祖先の祭祀を主宰すべき者(祭祀承継者)とは

祭祀承継者が誰であるかは慣習にしたがいます。ただし、被相続人の指定がある場合には、指定された人が祭祀承継者となります。被相続人による祭祀承継者の指定は、遺言によることも出来ますが、とくに方法が決められているわけではありません。たとえば、被相続人が口頭で指定したのであっても有効です。
被相続人が祭祀承継者を指定しておらず、かつ、慣習が明らかでないときであって、利害関係人間に争いがある場合には、家庭裁判所が定めます(祭祀財産承継者の指定の調停申立)。
祭祀財産は相続財産(遺産)ではないわけですから、祭祀承継者が相続人であるかどうかは関係がありません。したがって、被相続人の指定によれば、相続権を持たない内縁の妻が祭祀承継者になることもできます。また、相続人が相続放棄をした場合であっても、祭祀承継者となることは何ら差し支えありません。

3.祭祀財産の範囲

遺骨
遺骨は、慣習に従って祭祀を主宰すべき者に帰属する(最高裁平成1年7月18日判決)とされています。
なお、人が他人の所有物となることはありませんから、遺骨が所有権の対象となるのかが疑問となります。判例では、遺骨については、埋葬・管理・祭祀・供養の範囲で所有権の客体となると判断されています。
墓地 墳墓(墓石)だけでなく、墓地も祭祀財産に含まれます。ただし、墳墓と社会通念上一体の物ととらえてよい程度に密接不可分の関係にある範囲の墳墓の敷地である墓地に限られます。

参考:広島高等裁判所 平成12年8月25日 判決
民法897条1項は、「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、・・・祖先の祭祀を主宰すべき者がこれを承継する。」と規定しているところ、墓地が墳墓として祭祀財産となるか否かが問題となる。
墳墓は、遺骸や遺骨を葬っている設備である、いわゆる墓石等をいい、墓地は、その墳墓を所有するための敷地であるので、墳墓と墓地とは、一応、別の客体ということができる。
しかしながら、墳墓が墳墓として遺骨などを葬る本来の機能を発揮することができるのは、墳墓の敷地である墓地が存在することによるのであって、墳墓がその敷地である墓地から独立して墳墓のみで、その本来の機能を果たすことができないことを考慮すると、社会通念上一体の物ととらえてよい程度に密接不可分の関係にある範囲の墳墓の敷地である墓地は、墳墓に含まれると解するのが相当である。
したがって、墳墓と社会通念上一体の物ととらえてよい程度に密接不可分の関係にある範囲の墳墓の敷地である墓地は、民法897条に規定する墳墓として祭祀財産と解される。
0 コメント

養子と相続(2)

1.被相続人甲(妻は既に死亡)と実子の長女Aの配偶者Bとは、平成24年1月15日に養子縁組をした。AとBとの間には平成22年に生まれた嫡出子Cがいる。Bが平成26年8月23日に死亡し、被相続人甲が平成27年12月24日に死亡した。CはBを代襲して甲の相続人になれるか。  本件の場合、Cは、Bが甲の養子になる前の子であるが、実子であるAの子であるから甲の直系卑属(甲の孫になる)に該当する。  したがって、CはBを代襲して甲の相続人になれるということである(登記研究446号123頁。質疑応答【6533】)。

2 コメント

養子と相続

養子と相続

1.養子縁組とは

養子は、養子縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得します。 これは、法律上、養親子は実の親子と同じ関係となることです。 養子は、相続においても実子と同じですので、相続人にもなりますし、養子縁組後に生まれた子供は、実子の子供と同様に(代襲・数次)相続権があります。 しかし、養子縁組前の養子の子(連れ子)については、注意を要することとなります。 養子縁組前の子には、法律上の親子関係が引き継がれませんので、代襲相続も数次相続においても相続人とはなり得ませんので、ご注意ください。

2.養子縁組前に生まれた養子の子と代襲相続による登記について

(1)被代襲者の要件 ① 代襲されるのは、被相続人の子と被相続人の兄弟姉妹のみである。 ② 代襲原因は相続開始以前の死亡、欠格及び廃除の三つに限られる(民法887条2項)。 (2)代襲者の要件 ① 被代襲者の直系卑属であること(民法887条3項、889条2項は887条3項を準用していないので、兄弟姉妹については、その子一代に限って代襲相続人となることができる。)。 ② 被相続人の直系卑属(子の代襲の場合)であること、又は傍系卑属(兄弟姉妹の代襲の場合)であること(民法887条2項、889条2項)。 ③ 相続開始時に直系卑属であること。 ④ 被相続人から廃除された者又は欠格者でないこと。 以上が代襲相続の要件である。


0 コメント

相続

1 墓地(墳墓地)の相続について

  かねてより相談を受けていた墓地の相続登記について、第一段階の相続人の調査から始まり、最後の相続人が 確定し、第二段階の意向確認から最終段階の協議書を作成して、相続人全員に印鑑証明書を添付してもらい、実 印を押していただくことが出来ました。

 「 年 月 日家督相続、 年 月 日○○相続、 年 月 日○○相続、 年 月 日相続」という、数次相 続の登記原因の相続登記でした。

 受任して、半年、本件業務遂行には、他の通常業務に支障が出てきてしまい、本当に投げたい気持ちに度々襲われましたが、私たち専門家が解決していかないと、空き家問題、不在地主問題と次から次へと社会問題となってきてしまう恐れもなきにしもありません。不在者財産管理人の申立てもしなければならない案件でしたが、過去の相続登記の資料を基に法務局と相談し、何とか完了に至ることが出来、感慨無量でした。依頼された方もこの登記について、どこも解決していただけなかったと、登記事項証明書、登記時期別情報を手に取ってうれしそうにされた姿を拝見するたびに専門家冥利に尽きます。投げなくてよかった!人に喜ばれる仕事ができてよかったと・・・・

31人の相続人、120通の戸除籍謄本、お手紙を書いたのも相続人数×3回と・・・・・・・・・・

 

 安堵もつかの間、さらに深刻な相続登記の相談が入りました。弁護士に相談するも、解決できないといわれている相続手続きでした。それも二人の弁護士に依頼したにもかかわらずです。着手金のみ取られ、お仕事をされない弁護士がこんなにもいるのかと、唖然としております。

 案件は、兄弟姉妹の遺言書のない相続手続きです。あかの他人となるような相続人へのアタックができないとして弁護士が放棄されたのか不明ですが、弁護士法違反とならないように、また依頼者の立場に立って、明快に解決していこうと、新たな闘志がわいてくるのでした。

 また、きっと、通常業務に支障が出てくるなぁーと思いながらも、人に喜ばれるお仕事を目指して、頑張ろうと・・・・

  

 

0 コメント

贈与と相続

 

1.相続税は亡くなった人の遺産を相続人に相続したときに相続人に課税される税金です。

  相続税が発生する場合は、死亡後10か月以内に税務署に相続税の申告をしなければなりません。

  相続税には基礎控除というものがあり、

  相続税の基礎控除の金額は、3000万円+法定相続人の人数×600万円です。

 

  たとえば法定相続人が3人なら、3000万円+3人×600万円=4800万円となります。

 

  基礎控除が4800万円ということは、残された相続財産が4800万円以下なら、相続税は

  支払わなくてよいのです。

 

  ※平成27年1月1日より相続税が増税され、相続税の基礎控除は下記にように変更されました。

 

  改正後の基礎控除額→3,000万円+600万円×法定相続人数

 (それ以前は、平成261231日以前に相続が開始(被相続人が死亡)した場合

   基礎控除額→5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)

 

2.贈与税について

  (1)贈与税は誰が払うのか?

  一方、贈与税は生前に贈る(あげる)側の人が財産を誰かにあげたときに、贈与を受け

  た(もらった)人に課税される税金のことです。

 (2)贈与税はいつ納めるのか?

  毎年11日から1231日までの1年間に贈与を受けた金額を集計し、その金額が一定

  の基礎控除額(110万円)を超える場合には、翌年21日から315日までの間に申告と

  納税をしなければなりません。毎年110万円以下の贈与を受けるのであれば、基礎控除の範

     囲内ですから、贈与を受けても贈与税は課税されません。

3.相続時精算課税の制度

  相続時精算課税の制度は、原則として60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の推定相続人

  である子又は孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。

  この制度を選択する場合には、贈与を受けた年の翌年の21日から315日の間に一定の書類を

  添付した贈与税の申告書を提出する必要があります。

    なお、この制度を選択すると、その選択に係る贈与者から贈与を受ける財産については、その選択

   をした年分以降全てこの制度が適用され、「暦年課税(110万円)」へ変更することはできません。

  (⇒税務署で取得する書類)

  (1) 贈与税の申告書

  (2) 相続時精算課税選択届出書

  (⇒区役所で取得する書類⇒贈与を受けた日以後に作成されたもの)

(3)  受贈者の戸籍の謄本又は抄本その他の書類で、次の内容を証する書類

イ  受贈者の氏名、生年月日

ロ  受贈者が贈与者の推定相続人であること

(4) 受贈者の戸籍の附票の写しその他の書類で、受贈者が20歳に達した時

 以後の住所又は居所を証する書類(受贈者の平成1511日以後の

 住所又は居所を証する書類でも差し支えありません。)

 (⇒お二人の住民票)

 5)  贈与者の住民票の写しその他の書類(贈与者の戸籍の附票の写しなど)

 で、次の内容を証する書類

   イ  贈与者の氏名、生年月日

 ロ  贈与者が60歳に達した時以後の住所又は居所

 4.遺産の生前分割

 

相続時精算課税制度をつかい、生前に財産を贈与しておけば、それで財産分割が確定し、

  受贈者に所有権を移転させることができますが、遺留分減殺請求の対象にはなります。

5.不動産の贈与の場合、所有権移転の登録免許税が高い

 

  相続であれば登録免許税0.4%のみですが、贈与の場合は登録免許税は2.0となり、

  また別に不動産取得税もかかります。

6.都税事務所や県税事務所に行う不動産取得税の費用の質問について

 

手許に贈与を受ける土地建物の詳細が分かる①登記内容、②固定資産税評価通知書

 をおいて、質問をするとよいでしょう。

 ア 土地・建物・専有部分の面積

 

イ 建築年月日

 

ウ 敷地(土地)の総面積とその所有権割合と持分割合

エ 取得年月日

 

7.念書とか覚書を作成し、了解をもらっておくと、相続時にはもめ事は少なくなります。

 

この贈与を行うということを話しあって、その時にすんなりお話がすすまないとなったら、

遺言書に切り替えてもいい場合があります。早く確定的に自分の所有にしたい場合、贈与

する人を交えてお話をした方が、相続時に兄弟姉妹だけになってお話し合いをするより

効果的な場合があります。

8.贈与とは、法律的にはお母さんの意思とお二方の意思の合致があれば、第三者の同意

はいらない法律行為です。

 

 

 

 

相続

墓地(墳墓地)の相続について

 現代のお墓の形式には、永代使用の霊園等が存在するため、また、お骨はお寺で一括してに納骨・合葬されるようになったため、更には、墓地は固定資産税が課せられていないことなどから、土地・建物の相続登記をする際に往々にして、相続登記が申請されないで相続登記の遺漏となるケースが多い。

 また、墓地も所有権の登記をしなければならないということが意外にも知られてないことから、相続登記等の承継の登記手続をしなければならないという概念が欠落している場合が多い。

 このような現代においても、なおかつ、土地登記簿の表題部の地目に墓地(墳墓地)として、表題部のみが祖々父母の名前のみの記載があることがあります。

 この先祖代々からの相続登記等の承継の登記がされていない墓地の登記申請の依頼があった場合、苦労することが多いのは、戸籍の取寄せ、調査だけでも、400人にも上り、関係書類が膨大な量となることが、過去の取り扱った事件の中にはありました。依頼者の方でも登記申請を断念し挫折をされるなど、相変わらず、墓地の相続登記等の承継登記がなされないままの土地(墓地)が存在しているのです。そうこうしているうち、道路拡張等により、その土地(墓地)が官公庁の買収の対象土地となり、嘱託登記に委ねられるまで放置状態が続いているというケースもあります。

 私たち専門家でもなかなか手を出したがらない非効率的な仕事でありますが、当事務所は、依頼者の先祖代々の名義を何とか変更してほしいという願いを十分に叶えてあげられる実務経験豊かなベテラン司法書士です。

 ところで、墓地の相続等による所有権移転登記手続には、「祭祀物承継」と「相続」の二つの承継が考えられます。

 (1)他の不動産と一緒に相続を原因として相続登記をする方法です。⇒この登記の際に『墓地』の相続登記を遺漏してしまうことが多いので、注意を要します。

 (2)民法第897条による承継を原因として登記を申請する方法です。

 原則として、墓地は祭祀財産であることから、「民法第897条による承継」を登記原因として所有権移転登記申請をすべきであるという見解があります。

 しかしながら、他人が墓地として使用している土地を所有している当該墓地の所有者にとっては、当該墓地は、自己の祭祀財産ではないことから、その所有者が死亡した場合、墓地は一般財産と同様に相続の対象(相続財産)となります。

 登記手続において、自己の祭祀財産か否かを証明する必要はないので、墳墓地の相続よる所有権移転登記は受理されます(昭和35年5月19日民事甲第1130号民事局長回答)。

 実際には祭祀物承継による登記は非常に稀有な登記です。承継を証する書面の添付及び遺贈に準じた登記の申請をすることになります。相続との違いは、単独申請ではなく、「登記原因証明情報=承継を証する書面」が必要になるなどのほか、相続を証する書面の添付は不要ですが、共同申請となるため、遺言執行者が選任されていない場合は、登記権利者が承継者、登記義務者として、相続人全員が義務者となるため、手続きとしての難易度は相続の場合と同様となります。

 《民法第897条》

   系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継  する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

 2.前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める

0 コメント

死後委任業務

1 提案

 死後事務委任契約とは?

 これからの生活のことをお考えの方に、死後のお話をすることは大変失礼かと存じます。本当に申し訳ありません。

 ただ、任意後見契約をお考えであれば、私たち法律家はぜひ一緒にお考えいただきたいと思う契約の一つです。

 特に、一人生活で暮らされている方には、重要な問題なのです。

 このブログに訪問されたあなた様は、お一人様のご自身が亡くなられた後のこと、お考えになられたことがありますでしょうか?

 お葬式からどこのお墓に入るか、ご心配ないでしょうか?

 死後事務委任契約とは、死後に発生するいろいろな事務を代行してもらう契約です。

 相続人となる身近なご家族がいらっしゃるのであれば大丈夫でしょうが、ご親戚がいても付き合いが疎遠であったり、まるっきり身寄りのない方の場合には、死後事務委任契約が重要になってきます。

 厚生労働省の資料では、ご高齢の約8割の方は、最期は病院での死亡となっています。そうしますと、①入院中の費用を病院へ支払ったりするのは、どうすればよろしいのでしょうか?②葬儀の手配やその支払手続はどのようにするのでしょうか?

 ③ご自身が入るお墓もどうするのか、元気な生前に決めておく必要が生じてきます。

 また、ご自宅で亡くなった場合でも、④家賃や水道光熱費の支払いはどうするのでしょうか?

 任意後見人、法定成年後見人等は、ご本人が死亡した時点でその職務が終了します。

 このような事務手続きを委任することまでは含まれません。

 ご本人が亡くなってからの事務は、任意後見人等では出来ないものと考えられているためです。

 したがって、死後の事務を任せられるご親族等がいらっしゃらない方は、任意後見契約とあわせて死後事務委任契約を結んでおくことが必要となります。

 ただし、普段からお付き合いがなくとも相続人となる予定の親戚の方がいらっしゃる場合には、死後事務で支払われる金銭が相続財産の一部にあたることから、相続との問題も生じるため、その点に気を付けなければいけません。

2 結語

 成年後見制度利用促進法が衆院本会議で平成28年4月8日が可決しました。平成28年、10月にも施行されるようです。死後事務も一部後見人で行うことができるようになったようですが、正式に契約書として一度、締結をお考えになられてはいかがでしょう? 

0 コメント

再転相続

0 コメント

内容証明

内容証明とは、郵便物の差出日付、差出人、宛先、文書の内容を郵便局が謄本により証明する制

度です。 つまり、「この手紙をいつ、誰に、この内容であなたが出しました」ということを郵便

局が証明するものでありますが、法的な効力はありません。私たちは、お手紙の一種として考え

ていますが、日付・差出人・宛先・文書内容を第三者である郵便局が証明したことにより、法律

で定められている賃貸借の契約解除や債権回収、債務消滅の援用の手続き上は必要となります。

民法第153条(催告) 催告は、6箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、

民事調停法 若しくは家事審判法 による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手

続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。 と規定さ

れているように、内容証明を送ってから6か月以内に裁判上の請求、支払督促の申立て、和解

の申立て、民事調停法 若しくは家事審判法 による調停の申立て等の手続をしなければ、有効

な催告とはいえなくなり、時効の中断効力は生じなくなります。

よって、本条では、催告の方法は規定されていませんが、一般的には、催告をおこなった証拠

を残すため、一般書留の内容証明郵便使用されます

 

 

0 コメント

相続

相続の登記の依頼に際して、被相続人の出生から死亡までの連続した除籍・改製原戸籍・

戸籍謄本が必要です。 金融機関に提出をする場合は、この出生時からの戸籍の取得は必

要不可欠とさえ言われているが、登記に際しては、出生時からの戸籍を添付せよという

ようなことはない。法務局によって、何歳まで添付すればOKなのかは、曖昧であると

いうのが実情のようである。要するに、生殖年齢からの戸籍があれば、一応は大丈夫の

ようであるため、14歳くらいまでなら大丈夫の時代もあったようであるが、12歳く

らいまで取ってくださいと言われるときがあるそうである。栄養状態が良くなってきて

いる現代から考えると、そのように考えるのも不思議ではないが、80歳~90歳くら

いで死亡した人の14歳の年齢の時は戦前でもあり、栄養状態はさほど良好でなかった

ことを考えると、いたずらに10歳、12歳くらいまで取ってくださいというのは、い

かがなものかと考える。

結果的には、出生時から取得せざるを得なくなってしまっているというのが現状のよう

である。

ところで、戸主の同意があれば、旧法の認知効のある出生届を父親から届出をすれば、

父親の戸籍に入籍ができたのであるが、たまに父届出(母の戸籍 ○○郡○○町・・・

・・戸主△▽)というような戸籍の記載にぶつかることがある。母の非嫡出子として、

母の戸籍に記載があるのかと考えるが、このカッコ書きがあることは、母の本籍を明示

しなければ、母が特定できないため記載をしているものであり、母の戸籍には非嫡出子

として入籍しないで父の戸籍に直接入籍した記載であることが分かり、出生時の戸籍=

認知効ある出生届により入籍となる。小学校に入学する際に戸籍の届出をしていなかっ

たことから、父が出生届をしたことが判明するが、このような学齢に達した出生届は、

法務局へ受否伺いをしたうえで、市区町村長は受理しなければならないのである。

和解・裁判

 被告事件の貸金返還請求事件の依頼があった。原告事件の受託が多い中、被告事件の受託である。元々被告事件を得意とする環境の中にいたので、慣れているといえばウソではない。

しかしながら、親族間の貸金は複雑な場合が多いので神経を使う。依頼者に説教をするなら、「もう二度と親族間でのお金の貸し借りはやめておいたほうがいいですよ」と言いたい。

裁判所が遠方であったので、被告が近くの裁判所での裁判にはならないのですか?というので、移送申し立てをするが、裁判所は管轄違いとかよっぽどのことがない限り、移送はしない。結果、却下である。

台風接近の中、列車の旅となった。法廷において、準備手続きに回付すると宣言されて、ラウンドテーブルに乗っかるのかなぁかと思ったが、いきなり、ラウンドテーブルでの裁判である。準備手続きでもないのに、これって、裁判手続き違法?では?と昔、教わったことがある。

しくしくと、一方的に裁判所は手続きを進める。事件がたくさんあるから、一つの事件に時間をかけられないのであろうと予測がつく。

和解勧試となった。条項の精査に移るが、結果的には満額支払う必要がないということであった。裁判の報酬には、着手金、成功報酬と報酬の種類があるが、司法書士はなかなか、この報酬をいただくのがどのタイミングがいいのか、悩ましいと感じる。委任を受けるときに契約書を取り交わし、読み上げて、説明をするのであるが、裁判に負けたときは、この成功報酬はいただく根拠がないので、着手金のみとなるが、勝訴した場合は、本人が受けた利益の10%~20%となり、得た利益が大きいと、この報酬も当然に高くなってくる。

それでも、当事務所は、半額ぐらいに抑えての成功報酬、若しくは本人支援の場合は取らないことが多い。お客様の裁判での苦労を考えると、なかなか報酬の請求ができないのである。

そんな中、一番信頼関係が損なわれるのは、当初から無理難題を押し付けてきて、訴訟を提起するという方に見られる闘争心むき出しの対応を私たちに迫られることである。挙句の果ては、契約を反故にし、契約内容の履行をしないという場面に出くわす。契約書には印鑑を押さなかったから言って、契約が成立していないわけではないのである。諾成契約と言って、その後の依頼者の行動を見れば、口頭での契約も有効に成立しているのである。

このような事件に遭遇すると、せっかく、人のために役に立ちたいと一生懸命に考えてあげることをしたくなくなるので、いけない。難しい案件を考えてあげた結果、すがすがしい気分になったのが台無しになる。いけない、いけない。


0 コメント

成年後見と死後事務

 法定後見制度を利用されている方がなくなった場合、死後事務をどのようにしたらよいのか、後見人であれば、誰でも出会う疑問点である。施設に入っていられる被後見人のほとんどと言っていいくらい、親族との関わり合いが希薄な方であるため、本人が死亡したときに、一番頭を痛めるところである。

後見事務は本人死亡と同時に終了することが次のように民法では明文化されている。

(委任の終了事由)第653条 委任は、次に掲げる事由によって終了する。

一 委任者又は受任者の死亡

 しかしながら、今まで面倒を見ていた本人に関する一切の事務、財産管理をすぐにやめることが出ないため、民法は、

(後見の計算) 第870条 後見人の任務が終了したときは、後見人又はその相続人は、2箇月以内にその管理の計算(以下「後見の計算」という。)をしなければならない。ただし、この期間は、家庭裁判所において伸長することができる、と定めています。

 これは、財産管理の規定であり、死後の事務処理の面では、明確な規定がないことから、苦労が伴う。そこで、(委任の終了後の処分) 民法654条 委任が終了した場合において、急迫の事情があるときは、受任者又はその相続人若しくは法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない、と規定されています。

 被任意後見人甲が死亡した場合、例えば、乙が甲の任意後見人になっていた場合、民法の委任契約によれば、乙の任務は終了(第653条1号)し、甲のための行為はできなくなるというのが民法の規定です。

 また、甲の財産は相続人(相続人がいない場合には相続財産管理人)に帰属するため、乙は生前から財産を管理していたにもかかわらず、甲の財産からの一切の支出ができなくなります(法定後見も同じです。)。

 しかしながら、乙は甲の死亡と同時に一切の手を引かざるを得ないということは、倫理的にも劣る行為となるため、(委任の終了後の処分) 民法654条によれば、「応急処分」といって、急迫の事情があるときには必要な処分を認めております。

 最三小判平成4年9月22日は、民法653条1項は任意規定であって当事者がこれと異なる合意をすることも許されるとして、委任者の死亡によっても終了しない旨の死後事務処理の委任契約を有効としています。

 そこで、上記の不都合を払拭すべく、死後事務委任契約というものが広まっています。被任意後見人甲と任意後見人乙が生前に、死後事務委任契約死後事務委任契約とは、委任者(本人)が第三者(個人、法人を含む。)に対し、亡くなった後の諸手続、葬儀、納骨、埋葬に関する事務等についての代理権を付与して、死後事務を委任する契約のことです。)を締結していた場合は、死亡後が安心であるということになります。

  死後事務処理委任契約の範囲の問題は、死後事務委任契約で対応できる委任事務の範囲です。委任者甲の死亡によりその財産は既に相続人のものになっていますから、相続人の権利を害さない配慮が必要です(事務処理として、緊急性、必要性がある場合で、相当性が認められるもの)。

 委任事務の範囲として代表的なものとしては、病院・施設等の明渡し、その費用の支払、葬儀、その費用の支払、永代供養があります。

 永代供養については、葬儀を終えたものの、納骨しないまま放っておくこともできません。身寄りのない甲が墓を有していない場合、その納骨は永代供養にせざるをえないと考えられますので、死後事務委任契約の対象とすることも可能となりますが、費用が高額になる場合もあるので、その支払は、甲の生前、特に判断能力が十分な時点でしておいた方がいいということになりますし、私どもの事務所は遺言で書いておくことを勧めております。

0 コメント

福祉型信託

福祉型の信託と相続財産の承継業務

 

司法書士が行うことができる相続財産の承継業務は、

不動産や預貯金、株式などに関する相続による名義変更、解約手続き、生命保険金・給付金請求

となりますが、弁護士法第72条との関係から、事件性(紛争性)がないものに限られます。

 

司法書士は、司法書士法第29条、及び司法書士法施行規則第31条の規定により家庭裁判所により

選任される相続財産管理人、不在財産管理人、遺言執行業務、31条第1項第1号において、

当事者その他関係人の依頼」による(=委任契約に基づく)財産管理業務につき明記依頼による

財産管理業務を行うことができます。

この様な他人の事業の経営や他人の財産の管理若しくは処分を行う業務をすることができる旨

を、法令で規定されている職業は、司法書士と弁護士のみとなっております。

そのような相続財産の承継業務(財産管理の処分業務)は司法書士法施行細則31条業務と呼ば

れているものです。


福祉型の信託のスキームを考えるときに、この財産管理業務を視野に入れた信託を構築すれば

安心した財産管理、成年後見制度の利用等、幅広いお客様のニーズに応えられることとなります。


信託とは?何ぞやとお考えの方は一度、当事務所をお尋ねください。相続税対策にこの信託が

活かされる場合があるかもしれませんね?

0 コメント

相続

<相続登記の手続きはお早めに!>

相続登記には、相続の確定申告のように10か月以内に税務署へ申告するような期限は設けられていません。したがって、おじいさまの登記名義のままで、税金だけを居住している方がお支払いになっているというケースが多々あります。

ところが、いざ、相続登記の依頼を受け、非常に困難なケースにぶつかることが多いのです。一番多いのは、お父様が亡くなられ、次にお母様が亡くなられるまで、相続人であるお子様は、相続登記(いわゆる名義変更)をなさらない場合が多いということです。その理由とするところは、両親がなくなれば、いずれ自分たちの財産になるのだから、相続登記は登録免許税もかかるし、父親名義で固定資産税だけを払っていればいい、ということのようです。

そういう考え方に出会うと、一理あると思われますが、いざふたを開けてみると、お父様の関係書類が官公庁の保存期間が経過して、廃棄済みで取得できなかったり、登記簿上のお父様と死亡されたお父様のがつけられなかったりと、それに代わる資料を私たち、専門家が作成しなければならなかったりした場合の費用等、想像できないくらいの労力と経済的な損失を生じる場合があります。

当事務所では、どんな困難な事例に遭遇しても、登記を受託できないということは皆無ですが、やはり、不動産を所有している方の権利及び義務として、物権変動が起きた場合はきちんと登記簿上に反映した方がベターであるという結論に達します。代襲相続等が発生し、第二世代であるお子様の相続人の場合のみで遺産分割協議がスムーズにできないために相続登記ができず、家庭裁判所へ遺産分割の調停申立てをしなければならないこともあります。

 

相続登記の手続きは、実務経験豊富な当事務所へお早めに!  ℡045-410-7622

0 コメント

差押債権取立訴訟、供託金、仮差押え

<債権差押え命令、差押え債権取立訴訟、債権者不確知供託、債権仮差押命令>

大家Aが所有していたアパート相続登記により、子供らB、Cの共有となっていたところ、銀行ローンの返済が滞り、任意競売申立てにより競売で所有権を取得した株式会社甲は、大家A(相続によりB、C)に対する貸付債権の確定した勝訴判決(債務名義)に基づき、アパートに居住している借家人X、Yに対し、大家A(相続によりB、C)に対する賃料債権の平成27年8月分、9月分、10月分、11月分を差し押さえてきました。

借家人Xは、大家Aとの定期賃貸借契約の締結により、平成27年4月から9月分までの賃料を前納しており、又平成10月分と11月分の賃料は、借家人と一緒に債権者不確知の供託をしております。(実際、誰に支払って良いのか、分からなかったので、平成10月分と11月分は債権者不確知の供託をしました。)

そのような事情があったため、借家人X、Y差押えが来ても支払わないでいたところ差押債権取立訴訟が提起されました。

5月29日、借家人Yは、第一期日に裁判所に出頭し、供託したことを言わずに、「平成27年8月分、9月分、10月分、11月分の賃料とその遅延損害金を支払います」と、法廷でしゃべってしまいました。裁判長が何回も「本当に認めるんですね」と念を押されたとのことです。すると、判決の日が言い渡され、6月12日となりました。判決の日には来なくていいとも言われました。YはXの母親なのです。

借家人Xは、裁判長が平成27年8月分、9月分、10月分、11月分の賃料とその遅延損害金の支払いを認めますか?」と確認を求めてきたときに、借家人Xは、口ごもりながら、『賃料はもう払ってます!』と言ったそうです。すると、裁判長が裁判長席から降りてきて(通常はこのようなことはないが)、「本当に払っているんですね」と、再確認を求めてきたので、『定期賃貸借契約の前払いで6か月分支払ってます。それに、10月、11月分は供託しています!』と、やっとの思いでしゃべったとのことです。

すると、書記官が口頭弁論終了後、「専門家に相談して、証拠があるなら、きちんと対応した方がいいですよ」と、アドバイスをしてくれたそうです。

そこで、いろいろ、相談できるところを探し回って、裁判もベテランで報酬の一番安い当事務所を訪れたわけですが、問題点がかなり、ありました。

まず、平成10月分と11月分の賃料について、借家人X、Yは供託をしておりますが、その供託金取戻請求について、株式会社甲が仮差押えをかけているということです。

借家人Yについて、弁論が終結しており、相談に見えた日の翌日が判決言渡しとあっては、10月、11月分を供託していることを主張できないし、時期に遅れた攻撃防御方法となるため、控訴を視野に入れなさいと言うしかなかった。借家人Yは敗訴判決により、賃料全額を支払うこととなると、損害金の金額が大きくなるため、やはり、10月、11月分は、供託金から取ってもらう方がいいとなった。

相手の株式会社甲は、借家人Yに対する勝訴判決の債務名義をもって、再度、供託金の本差押えをしなければならないため、法廷から出てきたときに、捨てぜりふのように『なんで、供託なんかしたんだよー』と言ったとのことである。

相手の株式会社甲は、勝訴判決により、借家人Yが供託した10月、11月分を含んだ賃料全額を請求するのであれば、供託金の仮差押えは取り下げてもらうこととなるが、それを主張する場がないところから、借家人Yは勝訴判決書に記載された金額のうち、支払うべき賃料のみ(10月、11月分を除いた)を支払うことで頑張るしかなさそうである。

一方、借家人Xは、

第1 請求の趣旨に対する答弁

 1 原告の被告Xに対する請求を棄却する。

 2 訴訟費用は原告の負担とする

第2 請求の原因に対する答弁

   1 請求原因1項中、賃貸借契約締結の事実は否認する。被告Xと大家Aとの契約は定期賃貸借契約であり、被告Xは、すでに、平成27年4月から9月分の賃料を同年4月7日に支払い済みである。

 2 請求原因2項中、平成27年10月から11月分の賃料の未払いについては否認ないし争う。同賃料については、横浜地方法務局平成27年度金第1000号、供託金24万円として供託済みである。

第3 被告Xの主張

 1 被告Xと大家Aの平成27年4月から9月分の定期賃貸借契約の賃料は、金78万円である。

 2 被告Xは、大家Aに対して、平成27年4月7日金78万円を支払った。(乙第1号証、同号証の2)

 3 被告Xは、平成27年10月から11月分の賃料金24万円(横浜地方法務局平成27年度金第1000号)は供託により支払済みである。(乙第2号証)

 4 よって、原告の請求はいずれも棄却されるべきである。

 という答弁書を提出すれば、借家人Xの勝訴判決は間違いないであろう。その場合、相手方甲は供託金をどのように払戻請求するのであろうか。もともとの大家Xに対する債務名義をもって、本差押えをかけて取り立てるのであろうか。

 

0 コメント

任意後見と家族信託

任意後見と家族信託

土曜日にお客様のご希望で相談に応じる。

 相談内容は、父が死亡し、母に相続させたが、その母が一戸建ての自宅に一人で居住しているため、心配であると言う娘さんAからの相談である。

お母さんの相続人は娘さんAとBの二人であるが、父の死亡時の相続手続きで大変な思いをしたので、どうすればいいのかと、いう相談であった。

母は、認知にはなっていないが、介護認定は受けておらず、他人の世話になることを拒み、家の中から外に出ようとしないとのことである。私Aは週一度、実家に戻り、母の様子を見ているということである。

 相談の提案として、お父様の相続の時に苦労されたということから、まず、①遺言の作成、②任意後見契約の締結のお話をした。

①の遺言書は、公正証書で作成すること

②の任意後見及び法定後見とはどのようなものかについて → 

 ア 法定後見は、家庭裁判所に娘さんAが申立てを行い、後見人としてAさんが就任することができるが、家裁が監督人となるケースで、診断書の内容により、補助、保佐、後見というランク付けになり、後見人(補助、保佐人)の代理権の内容が決定されること。年一回、家裁に報告義務があることなど。

 イ 任意後見は、公正証書によりお母さんと娘さんAが契約を締結し、お母さんの要望で、お身守り、財産管理、認知度が進んだ場合には、任意後見が発効し、任意監督人の申立てをしなければならないこと。

 ウ アの法定後見の場合、後見人(補助、保佐人)には、家族後見人として、娘さんAが就任することができるが、推定相続人である娘さんBの同意が必要なこと。

 エ イの任意後見の場合には、別段、娘さんBの同意は必要ないこと。お母さんが元気なときに娘さんAと代理内容等の契約を締結することができること。必ず、公正証書で作成しなければならないこと。合わせて、遺言を作成することをお勧めする、と。

 

 ※娘さんAの苦労は、お母さんの世話をするについて、その都度、面倒を見ているわけでないにもかかわらず、もう一人の姉妹Bに話を通さなくてはならず、苦労が耐えないから、Aさん一人で決定権を持つ方法はないかということで上記回答の結論に達したのである。

 娘さんAは、自分が母より先に死亡したときのことも心配されたので、契約の中でその条項の補填をすることで納得された。

 上級編として、家族信託(遺言信託、遺言代用信託)の話もした。一番安心な方法であると理解されたが、委託者であるお母さんから受託者であるAさんに所有権移転を行うと言うことで、「そこまでは・・・」ということになった。再度の来所を予約されて、母が住んでいる実家へと急がれました。

 

 お客様の相談内容にいろんな角度から、最適なアドバイスができる当事務所です。お困りごとは、まず、ご連絡下さい!℡045-410-7622

 

 

 

 

0 コメント