債権届出

 (配当等を受けるべき債権者の範囲)として、民事執行法第87条第1項第3号の規定により、『差押え(最初の強制競売の開始決定に係る差押えをいう。次号において同じ。)の登記前に登記された仮差押えの債権者』である相談者ということから、執行裁判所から担保不動産の競売が開始されたので、債権届出をしてくださいという連絡が来ました。

(開始決定及び配当要求の終期の公告等)

 民事執行法第49条第1項の規定によれば、『強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。)においては、裁判所書記官は、物件明細書の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。

 同第2項の規定によれば、『裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げるものに対し、債権(利息その他の附帯 の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。』

と規定があり、次に掲げるものとして

  同条同項第1号『第87条第1項第3号に掲げる債権者の規定があった。

 以上のことから、

  仮差押債権者も配当等を受けるべき債権者に該当するところ、仮差押債権者も配当要求をすることができるということで、最初の債権届出を行った。

  しばらくしてから、再び配当要求期日を指定した執行裁判所からの連絡が来たので、同じように債権届出をしました。このとき、配当に預かれるかどうか、抵当権者である機構が全部持っていくということがおおよそ見当がついていたので、裁判所に届出をする必要があるのかどうかを尋ねたところ、義務ですから届出をしてくださいとの回答であった。

(催告を受けた者の債権の届出義務)

 民事執行第50条の規定によれば、『49条第2項の規定による催告を受けた同項1号又は第2号に掲げる者は、配当要求の終期までに、その催告に係る事項について届出をしなければならない。

 同第2項の規定によれば、『前項の届出をした者は、その届出に係る債権の元本の額に変更があつたときは、その旨の届出をしなければならない。』

 同第3項の規定によれば、『前2項の規定により届出をすべき者は、故意又は過失により、その届出をしなかつたとき、又は不実の届出をしたときは、これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。』

 

 以上、裁判所のいうところの「義務ですから届出をする必要」があることが判明したので、再度、債権届出を行ったのである。(続き⇒)